開業医の89%が漢方薬を使用し、3人に1人が「漢方薬を増やす考えでいる」ことがキューライフの調べで分かった。漢方薬導入によって「治療効果以外に患者との関係や再診率の向上などのメリットも出ている」としている。
調査は今年5月25日から6月1日にかけて、全国の診療所開業医を対象に、内科医(有効回答者の52.5%)はじめ、整形外科(9%)、皮膚科(7%)、産婦人科、婦人科(6.5%)、小児科(6%)、外科・脳神経外科(5%)、耳鼻咽喉科(4%)、精神科・神経科・心療内科(4%)といった分野の医師200人から回答を得た。
調査の結果、漢方薬を使用している医院は89%。患者の5人に1人以上に漢方薬を処方していることが分かった。使用傾向では、年齢の高い医師ほど漢方薬を処方している傾向が見られた、としている。キューライフでは「若い層ほど、試行錯誤が活発ということか」と分析している。
また、経営状態が好調なところほど漢方薬の使用に積極的な傾向にあった。患者層でみると、更年期の女性が患者に多いところほど、漢方薬の処方割合が高かった。
次に、漢方薬の処方が患者との関係性を良好化するのに寄与しているかどうかでは、患者が更年期の女性が多い医院では、70.8%が良い影響を与えることが多いと回答。20代から30代の女性患者が多い医院でも65.6%が良い影響を与えることが多いと回答していた。
良い関係性が生まれる理由の第一は「副作用が少ないから」(32%)、治療選択肢の幅が広がるから(17%)、西洋薬にない症状改善があるから(15%)、西洋薬より受け入れられやすいから(10%)などだった。
また「再診率」について、漢方処方した場合には55%の開業医が再診率の向上に寄与していると答えていた。特に更年期の女性患者の多い医院では77.8%が寄与していると回答。20代から30代の女性患者が多い医院でも74.3%が寄与しているとした。
一方、漢方薬処方で一番影響を受けている情報源では医学誌の記事や論文が22.5%で最も多く、次いでMRの情報提供(20%)、ほかの医師からのすすめ(15.5%)、学会・研究会からの情報(14%)、患者さんからの要望(9%)、製薬メーカーのセミナー(7%)、インターネットからの情報(7%)だった。
(編集担当:福角忠夫)