ダイドードリンコ「復刻堂 ヒーローズ缶」シリーズの2010年版。「復刻堂 ウルトラコーラ」、「復刻堂 ウルトラ大怪獣レモネード」、「復刻堂 仮面サイダー」の3商品で、それぞれ9種類のパッケージデザインがラインアップされている。
子供の頃、いつも決まった時間になるとブラウン管に登場するヒーローたちに釘付けになっていたという人も多いだろう。平和を守るため、勇敢にも敵に立ち向かっていくヒーローの姿は、子供の目にはとびっきり格好よく映ったものだ。大人になって、時々そんな過去のキャラクターをテレビや雑誌などで見かけたりすると子供の頃にタイムスリップしたような感覚になる。そんなヒーローたちが今、新たに静かなブームを巻き起こそうとしている。そのブームのきっかけを作った要素のひとつが、ダイドードリンコ<2590>から発売されている「復刻堂 ヒーローズ缶」の登場だ。
同社は、2004年にレトロを商品コンセプトに取り入れたブランド「復刻堂」を立ち上げ、その昔懐かしい味わいとパッケージが話題となった。その後、「森永ミルクココア」や「三ッ矢サイダー」など、他社のロングセラーブランドとコラボするという、斬新な展開を見せ、世間を驚かせた。そして昨年、復刻堂ブランドは再び大きなサプライズを消費者に提供することになる。日本中のだれもが知る永遠のヒーロー「ウルトラ」シリーズをモチーフにした「ウルトラサイダー」を発売したのだ。円谷プロダクションとのコラボにより実現したこの企画商品は、発売するやいなや、子供から大人まで世代を問わず愛され、当初予想していた以上の販売数を記録した。
そんな「復刻堂 ヒーローズ缶」シリーズの2010年版が、今年の2月に装いも新たに登場。昨年好評を得たウルトラシリーズより誕生した「復刻堂 ウルトラコーラ」は、昭和から平成の「ウルトラ」シリーズのキャラクターを中心にラインアップされ、裏面には正面デザインのキャラクター紹介と共に「ウルトラこぼれ話」や「ウルトラメカ百科」などを掲載している。また、バルタン星人やメフィラス星人、レッドキングなど、ウルトラ兄弟を苦しめた宿敵の怪獣たちがパッケージになった「復刻堂 ウルトラ大怪獣レモネード」も登場。こちらも、ファンにはたまらない人気ウルトラ怪獣がラインアップされている。さらに今回は、石森プロと東映の協力を得て、ウルトラシリーズと並ぶヒーロー「仮面ライダー」をモチーフにした「復刻堂 仮面サイダー」がシリーズに加わった。仮面ライダー旧1号、新2号からショッカー戦闘員まで仮面ライダーシリーズの人気キャラクターが斬新な缶容器のパッケージデザインとなっている。こちらも裏面にはキャラクターの紹介に加え、「ライダー怪人百科」や「ライダーマシーン百科」を掲載したことで、普通の商品という概念に収まらない、親子で一緒に楽しめるコミュニケーションツールとなっている。
気になる味の方は、3シリーズともに昔懐かしい味わいが現代風にアレンジされており、大人にはどこか懐かしく、子供には新鮮なテイストに仕上げられている。また、希望小売価格も税込み100円と低価格に設定されており、楽しさとともに値ごろ感があるところも、好調な売行きを見せている理由といえるだろう。
復刻堂シリーズの仕掛人でもある、ダイドードリンコ企画開発部の篠崎氏は、「ウルトラシリーズや仮面ライダーシリーズのキャラクターは、お父さんにとっては懐かしく感じ、お子さんは純粋にカッコイイと思える存在です。ヒーローズ缶は、子供から大人まで世代を問わず愛されているヒーローたちをモチーフにすることで、親子間で共通の話題を持ちコミュニケーションを深めてもらえるようになればという想いから企画しました」と話す。時代は劇的に変わったとはいえ、今も昔も、悪と戦うヒーローの姿に憧れる子供の感性はそう変わってはいないのだろう。夏休みに入り家族で過ごす機会がいつもより多くなるこの時期、親と子が一緒になって楽しめるこの100円の商品の存在が、最近希薄になっている傾向の強い親子間のコミュニケーションを深めるひとつのきっかけになってくれるかもしれない。
(編集担当:北尾準)