神戸製鋼所、第2四半期連結で減収、通期での予想も下方修正

2012年10月31日 11:00

 神戸製鋼所<5406>は30日、平成25年3月期第2四半期の連結決算を発表した。売上高は、前年同期に比べ1,015億円減収の8,585億円となり、営業利益は、前年同期に比べ464億円減益の55億円。経常損益は、前年同期に比べ495億円減益の110億円の損失となった。また、四半期純損益は、これらの影響に加え、投資有価証券評価損を特別損失として計上したことなどから、前年同期に比べ555億円減益の381億円の損失となっている。

 我が国の経済は、震災からの復興に伴う需要の増加などを背景に、緩やかながら回復基調をたどったが、エコカー補助金の終了などもあり、徐々に回復のペースは鈍化している。海外では、欧州における金融不安、中国での景気拡大鈍化、米国での景気回復のペースの減速傾向が継続しているのが現状だ。

 このような経済環境のもと、同社グループにおいては、鋼材やアルミ圧延品の販売数量は、国内自動車向けの需要が堅調に推移したものの、鋼材海外市況の低迷や円高の影響により輸出環境が悪化したことなどから、前年同期を下回った。また、油圧ショベルの販売台数は、震災からの復興に伴い国内需要が増加し、東南アジアにおいても需要は堅調に推移したものの、主力市場である中国では大きく減少し、前年同期を下回っている。

 通期の業績予想については、売上高を下方修正している。一方、損益については、引き続き総コストの削減に注力するものの、第2四半期までに決着に至らなかった鋼材販売価格が、第3四半期以降に決着すると見込まれること、中国における需要環境に不透明性が増していることなどから、前回公表した予想を据え置いている。