いすゞ、NOX浄化装置なしで規制値クリアするディーゼルエンジン開発

2010年04月06日 11:00

 いすゞ自動車 <7202> は2日、窒素酸化物(NOX)浄化装置を使わずに世界で最も厳しい排出ガス規制をクリアするディーゼルエンジンを開発したことを発表した。

 これまで、NOX浄化にはプラチナなどの貴金属を使用した専用触媒が必要だった。同社は今回燃焼技術などの改良により規制値をクリアするめどをつけることに成功。まず9月までに発売する中型トラックの一部に搭載し、国内で発売する見通しだ。

 今回開発された技術が確立されれば、先進国におけるディーゼル普及の妨げとなっている後処理装置追加が必要でなくなるため、ハイブリッド車など電動化が主流になりつつある自動車メーカーの環境対応戦略にも影響を与えそうだ。

 同社は、コモンレール(電子燃料噴射装置)の高圧化やシリンダーの耐力向上など、既存の排気量5200cc・4気筒ディーゼルをベースに開発し、小型ディーゼルにも流用していくとしている。
(編集担当:北尾準)