村田製作所 <6981> は、電子工作入門冊子「はじめよう!電子工作」を発行し、本社や事業所のある地域をはじめ、希望が寄せられた全国の小学校へ寄贈すると発表した。
小中学生の理科離れが取りざたされる昨今。村田製作所では「電子工作教室」を開催したり、愛らしいフォルムの自転車型ロボット「ムラタセイサク君」を全国各地へ派遣して、理科の「出前授業」を行うなど、子供たちの理科に対する興味を喚起する取り組みを数々行っている。今回配布される冊子も、その社会貢献活動の一環で、2008年から雑誌「子供の科学」(発売元 株式会社誠文堂新光社)でムラタが電子工作入門の連載協力をしている記事の中から、特に反響の大きかったものを再編集したものだ。
冊子の内容は、全26ページ。ゲルマニウム検波一石ストレートラジオ、ホタル箱、ダンダン消えランプなどの工作記事18ページ、コンデンサや抵抗器、コイルなど、電子部品の動作を体感するための簡単な工作記事6ページで構成され、工具や工作手順の紹介をはじめ、電子部品や回路などの説明、遊び方や創意工夫に向けたヒントなど、初心者から電子工作経験者まで、幅広く楽しみながら学べるようになっている。
以前、ムラタが新聞や雑誌に掲載していた広告に「理科はすきですか」というキャッチコピーがあった。勉強としての理科は好きじゃなくても、不思議なことや疑問を解明したり、工作することを嫌う人は少ないだろう。遊び心のある理科には、子供たちならずとも、わくわくしてしまうものだ。世間では子供たちの「理科離れ」が度々、取りざたされるが、普段、理科と触れ合う機会が少なくなっていることの方が問題のようにも思える。子供たちが理科から離れているのではなく、理科の方が子供たちから離れていっているのかもしれない。
与えられたものではなく、自分の手で作り上げた電子工作が上手く動作したときの感動。もしも思い通りにいかなくても、どうして上手く動作しなかったのかと、試行錯誤して工夫を繰り返す。そういう経験が、子供たちの創造力を育てていく。今回の電子工作入門冊子がきっかけとなって、ものづくりに興味を持ち、将来、専門家や技術者になる子供も多いに違いない。今回の冊子配布は、単なる寄贈ではなく『CSR活動を意識した理科教育の推進』を重点テーマに掲げているムラタならではの取り組みといえるのではないだろうか。村田製作所では3月より冊子の配布を開始している。
(編集担当:藤原伊織)