介護福祉士 質の向上へ受験資格要件厳しく

2010年04月02日 11:00

 厚生労働省では介護福祉士の資質向上を図るため、2013年1月に実施される国家試験から、資格取得のための受験資格要件を厳しくする方向で検討をすすめている。一方で、離職率の高い介護分野だけに、就業の定着率の向上策や人材の量的確保策が課題になっている。

 介護福祉士になるには、現在、介護職員としての実務経験が3年以上あれば国家試験受験資格が与えられているが、2013年1月実施分からは現行の3年以上の実務経験に加え、新たに国が指定する教育機関で介護に関する体系的な知識や技術を学習する6ケ月(600時間)以上の養成課程を経ることを条件に付加する予定だ。

 600時間の構成としては、人間と社会について45時間、介護の基本やコミュニケーション技術、生活支援技術、介護過程で300時間、認知症への理解や障害に対する理解、発達と老化への理解、こころと体のしくみについて255時間が考えられている。こうした学習条件を付加することにより、介護福祉士の質の向上を図ろうと考えている。

 ただ、介護分野は仕事内容に比べ、所得が他の産業に比べ低いことや業務にハードな面があり、介護の喜びややりがいよりも現実の厳しさからか離職率が他の産業に比べて高く、人材の量的課題が問題になっている。

 このため、質の向上と量的問題をどのように両立させるか、厚生労働省では、広く一般から意見を聞きたいとして、4月4日まで、ファックス(03・3591・9898)やメール(kaigoshikaku@mhlw.go.jp)での応募を受け付けている。
(編集担当:福角忠夫)