食の安全に係る事犯検挙 前年の1.78倍に

2010年02月26日 11:00

 警察庁生活安全局がまとめた2009年中の生活経済事犯の検挙状況で、食の安全に係る事犯の検挙事件が66件と前年に比べ1.78倍に膨れあがったことがわかった。検挙人数も132人と前年に比べ41人、率にして45.1ポイント増えている。

 食の安全を脅かした事件では、穀粉米粉製造加工販売会社らが食用として販売できない事故米を食用米などであるかのように表示して約1000トンを酒造会社など7社に販売した悪質な用途偽装事件をはじめ、工業用糊原料として購入した(基準値を超えるメタミドホス含有の)事故米を食用米として米穀雑穀販売業者に食用米として販売した事件、ロシア産塩蔵ワラビを水煮加工した商品に山形県などと印刷したラベルを貼り、約10トンを業者に販売した詐欺事件など記憶に新しい。

 警察庁の検挙内訳では、食品の産地など偽装表示事件が34件、前年比18件増。検挙人数も107人と前年より50人増えたとしている。また、食品衛生関係違反事件が32件、前年より11件増えた。検挙人数は25人で逆に9人減少していた。利益至上で商業モラルを逸脱したケースが目立っている。
(編集担当:福角やすえ)