概算決定額で前年度比7.47%増要求 農水省

2009年10月20日 11:00

 農林水産省が財務省に要求した来年度予算の概算要求総額(農水省関係ベース)は2兆7518億円と前年度の概算決定額(2兆5605億円、2008年12月末での決定額)と比較すると、1913億円、率にして7.47%増える結果となった。

 農水省は、既存の予算を精査して、公共事業費は8459億3700万円と前年度の概算決定額に比べ15%削減するなど、既存ベースでは予算全体で1534億円、率にして6%削減できたが、農家の戸別所得補償制度へのモデル事業費を計上すると、前年度より増に転じたとしている。

 財務省が発表した概算要求額では、農水省所管ベースで計算すると2兆5066億2800万円となり、前年度当初予算(2兆3030億6800万円)に比べ、2035億6000万円、率にして8.83%の増になっていた。

 財務省では総額95兆円にのぼる各省庁からの概算要求を92兆円以下に圧縮したい意向を示しており、農水省がどの項目を削減の対象にしていくのか、今は全く未定としている。

 マスコミの一部が農家の戸別所得補償制度も対象の例外でないと報じていることについても「全く分からない」状況としており、対象から外れているとの回答もなかった。

 農家の戸別所得補償制度は選挙公約の目玉事業にもなっており、2011年度からの実施に向け、制度設計が急がれている。農水省では、来年度に全国規模のモデル事業として「米の生産数量目標に沿って生産を実施する米販売農家に対して、販売価格が生産費用を下回った場合、その差額を農家に補償する」計画。モデル事業の詳細について「11月中をめどに」基準を設定したい意向で、来年度は「生産コストの地域差は考えないで実施したい」意向を示している。
(編集担当:福角忠夫)