情報技術を利用したいわゆるサイバー犯罪が急増している。警察庁がまとめた今年上半期のサイバー犯罪検挙件数は3870件にのぼり、前年同期(2192件)に比べ76.6%増と急増した。特に不正アクセス禁止法違反は1965件と前年同期(157件)の12.5倍になった。これについて、警察庁では不正アクセス禁止法の違反の急増は犯行グループ(15人)によるところが大きかった(1965件中1813件が同グループによるもの)としている。
また、ネットワークを利用した犯罪は総合では1858件と前年同期(1962件)に比べ5.3%減少したものの、わいせつ物頒布や児童ポルノ事犯(247件、前年同期比19.9%増)や出会い系サイト規制法違反(禁止誘引)(184件、前年同期比15.7%増)は増加していた。
サイバー犯罪の急増を反映して、都道府県警察の相談窓口に寄せられたサイバー犯罪などに関する相談件数(受理件数)は4万3756件と前年同期(3万8506件)より13・6%増えた。警察庁では「インターネット・オークションに関する相談は減少しているが、詐欺や悪質商法、迷惑メールに関する相談が増えている」としている。
ちなみにインターネット・オークションに関する相談は4080件、前年同期比1009件減、率にして19・8%の減。一方、詐欺や悪質商法は2万1733件、同4679件増、率にして27・4%増、迷惑メールは3343件、同484件増、率にして16・9%の増になっていた。また、名誉毀損や誹謗中傷などに関する相談も5654件と前年同期より172件増えていた。
警察庁では「違法情報の投稿者だけでなく、違法情報の投稿、書き込みを認識しながらそのまま放置している掲示板管理者の刑事責任の追及をも視野に入れた捜査を行う」など、取締りを強化したいとしている。
(編集担当:福角忠夫)