一般消費者向けのテレビ通販番組が増えているが、公正取引委員会が同委員会の消費者モニター1091人を対象にテレビ通販番組の視聴や利用状況などに関するアンケートを行った結果、97%の人がテレビ通販番組を見たことがある、と回答。このうち、テレビ通販番組を利用して商品を購入した経験者が29%と視聴者の約3人に1人が利用していることが分かった。
公取では「テレビ通販を利用した購買活動は、ある程度限られていることがうかがわれる」と分析しているが、3割近い利用があった、というのはテレビ通販番組の影響力の大きさを窺わせるものとも受け取れ、商品に対して正確な情報提供を行う責任の重さを裏付けるものともいえよう。
この調査は昨年12月から今年1月までの間で実施され、956人から回答を得ていた。テレビ通販番組の視聴状況では954人が回答し、このうち、97%が見たことがあると回答。テレビ通販を利用して購入した経験者は29%で、71%は利用しないと回答していた。
利用しない理由について、最も多かったのは「表示通りでないと思うから」「商品内容がよく分からないから」がいずれも50%を超えた。表示通りでないと思うと回答した消費者モニターの中には「メリットばかりを繰り返すため信用できない」というものや「効果などの根拠が分からない」などの声があった、としている。また、「数量限定や受付時間の限定で購入者をあおっているから、という意見を述べている者が相当数みられた」と報告している。
公取では(1)支払や返品等に関する重要な情報については十分な時間を割き、大きく見やすい文字により表示することに加え、音声で明りょうに説明してほしい(2)購入後に部品を定期的に交換するなどの必要がある商品については部品の交換費用やメンテナンス費用など購入した後で掛かる費用についても具体的かつ明りょうに表示してほしい(3)一定の条件の下で得られた効果・性能についてはどのような条件の下で得られたのか、文字や音声で明りょうに説明してほしい、などモニターから寄せられた要望事項について「これらを配慮して番組制作をすることは表示通りでないと思うからといった評価への対応としても意味があると考えられる」と提言している。
(編集担当:福角忠夫)