政府が推進しているスクール・ニューディール構想に対応して、コクヨマーケティング(資本金5億3000万円、社員740人)が今月から公立の小中学校に「太陽光発電システム」の導入提案を始めた。年内に10校程度の納入取り付けをしたいとしている。民間市場が低迷しているだけに、公立学校は市場として絶好のターゲットといえよう。
太陽光発電システムは全国の公立小中学校(3万2000校)のうち、現在1200校程度が導入しており、文部科学省ではエコ改修や省エネへの取組の一貫として1万2000校にまず導入が図られるよう自治体をバックアップしていきたいとして予算確保を図っている。また、政府は全校3万2000校への導入を目標にしたい意向。
太陽光パネルの導入により「1校あたり年間でCO2削減量は東京ドーム1個分の面積の森林によるCO2吸収効果に相当する」(文部科学省)とされ、電気代も「年間21万円から26万円程度の削減になる」(同省)という。
今回、同社が提案しているシステムは4種。そのひとつが「採光型太陽電池モジュール」。これは、太陽電池をガラスと一体化させた採光型太陽電池で、建物の外観などに設置できる。2つ目は「太陽電池モジュール」で、発電効率を重視した太陽電池セルを用い、日当たりのよい屋上などに設置する。3つ目は「ソーラーピクト」と呼ばれるもので、太陽電池を案内表示板の一部に組み込み、案内表示板の一部が発光することにより、災害時などの停電時や夜間でも視認しやすくなる。最後のものは「太陽電池モジュール+追尾システム」で太陽の位置を自動的に追尾することにより、太陽光の日射量を最大化させ、発電効率を高める。同社では学校の条件に応じて、これら4種を組み合わせて効率化を図るとしている。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)