JAL <9205> グループは2009年6月4日より、日本・オーストラリア(ブリスベン・シドニー)間において、UPR(User Preferred Route)方式で試行運用をすることを発表した。
UPR(User Preferred Route)方式とは、気象状況や航空機材を考慮した安全でより効率の良い飛行経路を、航空会社が任意に設定し運航するということ。これにより飛行時間短縮・消費燃料削減およびCO2排出量削減を実現。既に08年8月11日より日本・ハワイ間で試行運用を開始しているという。
従来、日本・オーストラリア間では決められた航空路を使用して運航していたが、今般より国土交通省・米国連邦航空局・オーストラリア航空当局による安全検証を経て、UPR方式が試行運用されることとなった。 まずは成田=ブリスベン線、成田=シドニー線の1日各1往復でUPR方式を開始。燃料使用量年間約100万ポンド(56万リットル、ドラム缶2800本分)、燃油費年間約2400万円、CO2排出量年間約1400トンの削減を想定している。
さらに09年5月7日より、関西国際空港の深夜早朝時間帯において、CDA(Continuous Descent Arrival)方式にて着陸する試行運用を国内空港で初めて開始している。このCDA方式とは、空港への進入時にエンジン推力を下げたまま巡航高度から連続的に降下、着陸する運航のこと。なだらかに降下することで、途中でエンジン推力を上げる必要がなく、消費燃料を減らすことができる。対象となる時間帯において1日3便を運航。燃料使用量年間約56万ポンド(32万リットル、ドラム缶1600本)、燃油費年間約1300万円、CO2排出量年間最大800トンの削減を想定している。
JALグループでは、今後もこのような新方式の導入に積極的に取り組み、環境負荷軽減、運航効率向上、そして旅客利便性向上を図っていく方針だとしている。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:宮園奈美)