プロポリスの長期摂取でスギ花粉症を軽減

2009年04月10日 11:00

 株式会社山田養蜂場は、鳥取大学医学部の竹内裕美准教授との共同研究で、二重盲検化並行群比較試験により、花粉の飛散前から飛散時を通じて予防的にプロポリスを長期摂取することで、花粉症患者の症状を緩和させる可能性があることを明らかにした。また、予防的な長期のプロポリス摂取により花粉症治療薬の使用量が減少することも確認された。

 現在日本人の10人に3人がスギ花粉症を有するといわれ、国民病のひとつだと考えられている。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、眼の痒み、涙目、咳など不快な症状で日常生活の活動力を衰退させるほか、眠気や口、眼の乾きなどといった治療薬による副作用も併発し、社会生活や生活の質を著しく低下させる場合もある。社会的には、労働損失(欠勤、早退など)と医療損失の合計が約3,000億円に上ると試算されており、その罹患率と医療損失を考えると、今や本人のみならず社会全体の活動に大きなダメージを与えていると言える。

 今回の試験は、60歳未満の成人男女において、例年、治療を受けている軽度のスギ花粉症患者30名を対象に実施された。被験者30名を無作為に、プロポリス群と対照群に分け、プロポリスの摂取により、スギ花粉飛散期間における花粉症の諸症状をどの程度抑えることができるかを評価した。その結果、プロポリスを摂取した群はしなかった群と比較して症状薬剤点数の増加量が小さいことが分かった。つまりプロポリスの摂取により症状が緩和され、薬剤の使用頻度が減少したということが示された。また、両群のうち、花粉の飛散時期に薬剤を使用した人と使用していない人の割合を比較したところ、プロポリスを摂取した群の方が、花粉症の薬剤を使用した割合が明らかに低いことも分かった。

 今回の試験結果から、花粉症に対する予防と改善効果を示したプロポリスが、副作用を発症せずに、安心して継続摂取できる食品であることが明らかになった。花粉症症状や花粉症治療薬による副作用に苦しむ患者にとっても、社会生活の向上に繋がるという点では、患者や社会活動において、大きなメリットとなることを期待している。