バス、鉄道、旅客船、航空など公共交通機関についての国民の利用頻度や安全性への意識などを把握するため、内閣府が今年7月から8月にかけて実施した公共交通機関の安全に関する世論調査で、回答者の89・1%までが「公共交通機関は安全だと思う、またはある程度安全だと思う」と安全性に対し、高い信頼度を持っていることが分かった。「安全でないと思う」は0・8%、「あまり安全でないと思う」は6・5%にとどまり、都市規模別では大都市になるほど安全性への信頼度が高かった。また、女性より男性の方が、信頼度が高いことも分かった。
調査は調査員による個別面接方式により、全国20歳以上の3000人を対象に実施。男性840人、女性982人の合わせて1822人から有効回答を得た。
それによると、公共交通機関の利用頻度では「毎日利用している」人が11・4%、「1週間に数回利用する」は12・3%、「1か月に数回利用する」は22・8%。逆に「ほとんど利用しない」という人が40・5%、「全く利用しない」が13・0%となっていた。
都市規模別に見ると「毎日利用する」「1週間に数回利用する」は大都市に多く、「1か月に数回利用する」は大都市と中都市で。「ほとんど利用しない」は小都市や町村で、「全く利用しない」は小都市でそれぞれ高くなっていた。これは、公共交通機関の発達した大都会や中都市と、過疎化が進む中山間や僻地の地域では路線バスなどの公共交通機関が減便になり、住民は利用したくても利用できなくなってきている状況なども背景にある。
また、公共交通機関の安全性について、この10年の間に全体的にどのように変化したと思うかの問いでは、37・4%が「向上した」と回答。「低下した」は10・4%にとどまった。「変わらない」という回答は44・1%と最も多かった。性別に見ると「向上した」と答えた割合は男性で高くなっていた。