厚生年金保険料の算定基準となる「標準報酬月額」の改ざん問題で、社会保険庁の職員が、きょう16日から、改ざんされた被害者と思われる年金受給者の自宅を戸別訪問し、実態を調査する。
戸別訪問の対象者は、社保庁のオンライン上の厚生年金記録のうち(1)標準報酬月額の引き下げとほぼ同時期に脱退(2)標準報酬月額の5等級以上の引き下げ(3)6カ月以上遡及して記録が訂正されているという3つの条件を満たす6万9000件の記録のうち、既に年金を受け取っている約2万人。
舛添要一厚生労働大臣は「一番大事なのは被害者を特定し、救済すること」と機会あるごとに強調しており、具体的に今日から動くことになった。
また、野党から実施を求められているサンプル調査について、舛添大臣は「全く意味は無いとは申しませんけれども、やはり優先順位を付けて、人も時間も必要ですから。そういう意味で、88件を調べたのがまさにサンプル調査で、こういう確実に改ざんしたのを調べてみると3つの条件が出てきたわけです。例の5等級以上とか、6ヶ月とか、それから改ざんした日の前後か同じ日にちか、何かに標準報酬を変えたとか90%そうでしたから、まさにこれがサンプル調査であって、そこからまず2万人を割り出した」と語り、サンプル調査の結果、「3割いますねと言ったってこれが何か役に立ちますか。それよりも可能性の高いところから順番にやっていけばいいのです」と現在取り組もうとしている自らの方策が被害者救済の最短距離での方法であることを強調した。大臣は「被害者にとってみたら、全体の改ざん率2割です、3割です、そんなことを聞くよりも、私を救ってくれ。ということが多いので、私は全て優先順位で考えます。それからもっと紙台帳でもいるかもしれない、こういうのは全部、後ほど順番にやっていきたい。その優先順位をつけるのに役立つならばサンプル調査をやる。」と語った。