水難事故が多発するシーズンを迎え、警察庁では、19年中の水難事故発生状況をまとめるとともに、防止に向けた留意事項をまとめ、注意を呼びかけている。
それによると、19年中の水難事故発生件数は1492件、水難者は1721人で、うち、死者・行方不明者は876人に上っていた。前年に比べ、発生件数で44件、水難者で47人、死者・行方不明者で53人増えていた。
また、中学生以下の子どもの水難事故は273件、水難者344人で、うち82人は死亡や行方不明になっていた。
こうした水難事故の発生状況は6月から8月の3ケ月のみで年間発生件数の51・3%を占めており、この期間の注意が特に必要としている。
地域別で水難発生件数の状況をみると、静岡県が77件で最も多く、次いで、千葉(73件)、北海道(68件)だった。また、場所別では海が54・5%、河川が29・7%だった。
警察庁では、事故防止のためには余裕を持った計画とともに、魚とり・釣りでは、水流の激しい場所等の危険箇所を事前によく調べる。釣りやボート等で水辺に行くときは、必ずライフジャケット等を着用する。天候不良時は水難事故のおそれが高く、また体調が悪かったり、飲酒した時は、釣りや遊泳を行わない。幼児や泳げない学童等を水遊びさせるに当たっては、その者を保護する責任のある者又はこれに代わる監護者が付き添う、などを示して、事故防止への協力を求めている。また、子どもの水死事故は、場所別では河川が54・9%、海が20・7%を占め全水死事故と比較して河川での事故が多いという特徴があり、行為別では水遊び、水泳中が多く、子ども全体の58・5%を占めていることなどを踏まえ、遊泳に当たっては、水深、水流を考慮し、安全な方法で遊泳させるよう、呼びかけている。