カザフスタンでタングステンの地質調査開始

2008年06月13日 11:00

 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)はカザフスタン共和国エネルギー鉱物資源省地質・地下資源利用委員会と同国ウシュコル-ムラリ地域でのタングステンを対象とした地質調査等を開始する。7月には現地調査を開始する予定だ。共同調査面積は約450平方km。

 調査を行うウシュコル-ムラリ地域は、タングステン・金・ビスマスなどの鉱化作用があることが旧ソ連時代から知られていたが、十分な調査が実施されていなかった。共同調査では、衛星画像解析・地化学探査・トレンチ調査・ボーリング調査などを実施する。既知タングステン鉱床の地下深部への連続性の確認や新たな潜頭性タングステン鉱床の発見を目指す。調査期間は3年間。

 共同調査は、2007年4月に甘利明経済産業大臣がカザフスタン共和国を訪問した際に、JOGMECとカザフスタン共和国・地質委員会との間で調印された基本合意書に基づくもので、近年注目されているレアメタルの中でも特に供給元の多様化が急務とされているタングステンを調査対象とする。

 タングステンはドリルなどの高速度鋼や超硬合金の材料切削工具などに用いられる。また、金属のなかでは融点が最も高く、金属としては比較的大きな電気抵抗を持ち、電球のフィラメントとして利用される。比重が大きいため、砲弾に用いられることもある。タングステン鋼としても利用されている。