市町村道にかかる橋 約9割が定期点検されず?

2008年05月20日 11:00

 国土交通省では、落橋をはじめとする事故等を防止するため、「早期発見・早期対策」を行う予防保全システムを全国の道路橋へ展開することとし、このために必要な方策を審議する「道路橋の予防保全に向けた有識者会議」を設置し、審議を進めていたが、このほど「道路橋の予防保全に向けた提言」がまとめられた。

 提言では2015年に6万橋が橋梁完成から40年を超えることとなり、鋼やコンクリートの経年劣化や劣化損傷が多発する危険がある、と指摘。また、地震や最新基準への対応、車両の大型化への対応が求められるとしている。

 保全状況では約9割の市町村が市町村道にかかる橋の定期点検を実施していないことや損傷を見ていない危険を指摘している。また技術力や情報伝達不足により損傷を見過ごしている危険性があり、点検の先送りはアメリカでの高速道路橋崩落のような事例にみられるような惨事を招く。

 こうした危険からの回避を行う早期発見、早期対策の予防保全システムとして、(1)点検の制度化を図る(2)点検や診断の信頼性の確保に努める(3)技術開発の推進(4)技術拠点の整備(5)データベースの構築と活用を提案している。

 特に点検の制度化では「国民の安全安心を確保するため、すべての道路橋で点検を制度化する。そのための仕組み(資金、人材、技術)を充実する。点検及び診断の結果に基づき、措置(通行規制、補修補強・更新、記録、計画策定など)が適切に行われるサイクルを確立する。重大損傷などが発見された場合に、全国の道路橋において緊急点検を実施するなど再発防止に取り組む仕組みを構築することを求めている。

 また、点検や診断の信頼性確保の一環として、点検者や診断者の技術能力と責任を明確にする資格制度を置き、最新の知見に基づく点検及び診断となるよう定期的な教育を実施し、資格を更新するように提言。道路管理者についても診断結果に基づき的確な措置(通行規制、補修補強・更新、記録、計画策定など)を行うことが出来るよう教育・研修を充実することを提唱している。また、データベースを構築し、道路橋の健全度などの状態に関する情報を国民と共有できるよう、的確な指標を設定するとともに、わかりやすい情報として速やかに公表することも提案している。