国交省地方整備局改革で宿舎1600戸廃止売却

2008年04月21日 11:00

 タクシーチケットのずさんな管理や道路特定財源からのマッサージチェア購入など、支出のあり方で国民から強い批判を浴びた国土交通省地方整備局に対する改革策が国土交通省「道路関係業務の執行のあり方改革本部」(本部長・冬柴鐵三国土交通大臣)によりまとまった。改革策は広報広聴、福利厚生、車両の購入・管理委託、宿舎などの分野でわたっており、広報広聴費は平成18年度実績比で5割削減(98億円を49億円に)するほか、連絡用車両を今後3年間で約300台削減、使用車は2000cc以下の小型車に、今後5年間で既存の宿舎1600戸は順次、廃止、売却することなどを明記した。

 まず、広報広聴費用では、18年度に支出した98億円について検証した結果、4億円を「ミュージカル、道の資料館など、国民の目線から見て不適切なもの」と断定。25億円についても「シンポジウムの開催など道路事業・道路行政とのかかわりを確認する必要があるものだった」と3割近くが道路行政を国民の視点からみて、黒、または灰色の支出になっていると判断した。これを受けてミュージカル、道の資料館など、国民の目線から見て不適切なものは今後支出しない。ほかの支出についても内容を厳格にチェックし、費用を精査して決めるとし、これにより、18年度実績比で49億円の削減を図るとした。

 福利厚生では道路整備特別会計からレクリエーション経費や運動・健康器具の購入について一切支出をしない方針を決めているが、18年度では該当するものが約15万円あった。運動・健康器具の購入はなかった。コーヒーメーカーやコーヒーメーカー用カップのように業務上の必要性からは、私費により共同で購入すればよいものと考えられる(5万円)。こうしたものは、今後支出しない。

 車両管理では連絡用車両1426台のうち、今後3年間で約300台を削減し、仕様は2000cc以下の小型車に。マイクロバス85台は全廃する。宿舎についても1月24日現在で道路整備特別会計において保有する宿舎7941戸のうち、1119戸を27年度までに計画的に廃止することにしているが、これを含む1600戸について5年間で順次廃止、売却をすすめるとしている。また、宿舎の戸数増につながる新たな宿舎建設は行わないことなどを決めた。

 このほか、深夜勤務に伴うタクシー使用の適正化を図るため、超過勤務を縮減させるとともに、タクシー使用については新たな使用基準に基づき運用を図るよう徹底させるとしている。同本部は、これら改革について、監察官による特別監察の対象とし、本部存続のなかで実効性をあげるとしている。