花瓶に差しておくだけで、水が腐らず、花が長持ちする水質保持材を開発したと東北大学大学院環境科学研究科の細矢憲教授らが4月15日、発表した。
この水質保持材は貫通孔が多くあるモノリスと呼ばれる「高分子多孔体」で、これを棒状に形成したものを、先端を空気中に出すように切り花の水に差しておいたところ、何も入れない場合と比較して切り花の水が濁らず、切り花の寿命も延びた。また、白い棒を細かく折って水に漬けても効果が無かったことから、モノリスに空いているたくさんの貫通孔が水を吸い上げ、水を腐らせる原因物質や切り花の寿命を短くする「何か」を高分子で除去しているものと考えられると細谷教授は説明。同研究科では、あまりに安直な方法。色々な人に試してもらったところ、やはり同じ効果が確認出来た。これを用いれば、式典などに用いられる大花瓶の水の交換もいらない。また水換えの無い花屋も可能になる。この不思議な白い棒は値段も安く実用的に使える、と話している。
なお、構造が制御されたモノリスは3年前に同大学大学院同研究科の細矢教授と久保拓也助教(教授助手)、京都工芸繊維大学大学院博士課程の学生・辻岡則夫さんらが開発に成功、今回、これを棒状に形成して使用した。