国民生活センターは消費者行政の中心的存在となるべき・国民生活審議会消費者政策部会

2008年03月05日 11:00

 第21次国民生活審議会消費者政策部会は、これまで開いた6回の会合の内容をふまえ、第7回会合(2月27日)では、検討の論点を整理。新しい消費者行政の体制の中で、国民生活センターがその中核的な機関としていかなる役割・機能を果たすべきかについては「消費者問題の現場の状況を最も総合的に把握する機関として、消費者が主役となる政府における消費者行政の中心的な存在となるべき」と位置づけるとともに、消費者の立場に立ったセンターとして(1) 消費者問題に関するワンストップ・サービス拠点としての役割(2)市場の監視役としての役割(3)現場情報の政策への反映の「3つの役割の強化が必要」ということを明確に打ち出した。

 また、国民生活センターの組織形態や運営上の論点では、消費者の視点に立った運営を徹底するため「センターの意思決定に消費者の意見を代表する者が関わる仕組みが必要で、例えば、理事長等意思決定権を持つ者を消費者団体等民間人から登用する、あるいは、消費者の意見を代表する者等により構成される委員会による意思決定のチェックシステム等を導入するなどが求められる」としている。

 消費者問題に関するワンストップ・サービス拠点としての役割では、消費者から見て、分かりやすい窓口システムを構築する。また「苦情や相談には分類されない問い合わせや要望の中にも重要な情報があり、幅広い情報の収集が必要」で、「窓口に寄せられる情報に対して適切な対応ができるよう、窓口での相談員の能力向上」を図ることも求められている。このため、相談員に対する研修の充実や情報交換ネットワークの形成を支援する。

 苦情相談・あっせんなどの消費者トラブルについては「難易度の高い専門的な相談にも対応できるよう、外部の専門家の活用も図る」方向で、「紛争解決機能の充実を図るため、センターの紛争解決機能の整備・充実のための法改正(国会提出予定)をはじめ、苦情処理委員会の活動の活性化や地方公共団体の紛争解決機能の確保」を図る。

 被害を未然に防ぎ、拡大を阻止するために、消費者教育の充実が必要であり、金融広報中央委員会と連携して、センターが中核的役割を果たしていくことが求められている。事故情報について、特に必要なときにはセンターが警告情報を発することができる仕組みを設けるなども検討される。

 市場の監視役としての役割では消費者問題に関する情報の一元的集約を図る。特に安全に関わる情報についてはセンターに設置予定の「事故情報データバンク」を構築し、一般消費者から関係機関まで情報を一元的に集約することにしている。

 このほか、重大な事案を重点的に調査する「消費者Gメン」の設置や、専門的分析期間との連携、大学、研究機関、独立行政法人等をつなぐ原因究明機関のネットワークの形成を図り、重大事故の原因究明等、センターが必要と判断したテストが、他の機関において優先的に実施されるような制度を構築することなどがあげられている。