鉛フリーはんだ接続技術を開発

2008年02月15日 11:00

 株式会社日立製作所

 株式会社日立製作所は200℃の高温で1000時間以上、部品接続部に劣化のない接続状態を維持できる「鉛フリーはんだ接続技術」を開発した。
今回の開発で従来から使用されていた「高鉛はんだ」に変わり、電気・電子機器の電力変換に用いるパワーエレクトロニクス製品の分野で鉛フリー化が実現する。
 開発された技術は部品の接続部に銅含有率の高い「スズ-銅系鉛フリーはんだ」とニッケルめっきを組み合わせ、銅-スズ化合物がニッケルめっき上に層を形成するという特性を見出し、「スズ-銅系鉛フリーはんだ」と被接続部材の間に反応を抑制する層を形成させることで耐熱性を向上させることに成功した。
 開発された技術の詳細は2008年2月5日~6日に社団法人溶接学会マイクロ接合研究委員会主催で開催されるMate2008で発表される。
 鉛フリーはんだ接続技術の開発は電力を効率よく使用できるパワーエレクトロニクス製品の需要が伸びることが予想されるうえ、パワー半導体の大容量化に伴う素子の発熱量が増大することや炭化珪素、窒化ガリウムのような高温で動作する素子が使用されることにより、素子接続部の温度が約200℃に上昇することなどの点や省エネルギーの観点、さらには「高鉛はんだ」には85%以上もの鉛が含まれていることなどから、鉛フリーはんだ接続技術の開発が切望されていた。