NECなどが一般家庭向け定置用蓄電池レンタルの共同事業を検討開始

2012年10月04日 11:00

 オリックスと日本電気(NEC)およびエプコが、「一般家庭および個人事業主などのエネルギー削減に資するエネルギーサービス事業」につき、共同出資による新会社の設立を核とした協業の検討を行うと発表。経済産業省の「蓄電池戦略」における蓄電池の普及に向けた施策に基づき、定置用蓄電池のレンタルモデルによるエネルギーサービスの提供を図るとのこと。

 スマートハウスの普及などにより蓄電池を備えた家庭は増えつつあるものの、一方で、イニシャルコストが高いことによる購入者の抵抗感は依然として強く、普及にとって大きな壁となっている。

 こうした状況を受け、今回検討に入った事業では、オリックス、NEC、エプコの共同出資により設立する新会社が、NEC製の系統連系型リチウムイオン蓄電池(容量5.53kWh)を長期でレンタル提供し、蓄電池の設計・工事・保守・メンテナンス・「見える化」による節電支援サービスなどをトータルで提供する「最適な節電管理とエネルギー利用の総合サービス」を目指す。

 具体的には、初期の費用負担ゼロ、レンタル料は概ね毎月の節電メリットの範囲内、昼夜間の料金格差とピークカットによる電力基本料金の削減、蓄電システムの稼働状態を常時遠隔管理し、故障や電池が大きく消耗した場合はエネルギーサービス会社が保守・取り替えを実施することなどを検討。将来的には、蓄電池の設置者同士による電力融通や、設置者全体での需要抑制、ネガワット取引による対価の還元なども視野に入れているという。

 家庭におけるエネルギーマネジメントに対する取り組みは、その多くが戸建て住宅を対象に実施されている。しかし真に普及を図るためには、マンションなどの集合住宅をターゲットにした取り組みが必須であろう。集合住宅特有の性質や技術的な問題など多くの課題が立ちはだかっているが、早期にそれらが解決されることを期待したい。