10月1日はコーヒーの日、缶コーヒー商戦も激化

2012年10月01日 11:00

  10月1日は1983年に社団法人 全日本コーヒー協会により「コーヒーの日」に制定されている。これは日本では、秋冬期にコーヒーの需要が高くなることが大きく、またブラジルのコーヒー豆の収穫が9月に終了し、10月からは新しい「コーヒー年度」に入ることが理由だとされている。

  コーヒーは香りが魅力の飲料で、豆の選定や煎り方、入れ方で味が変わるといわれている。そのためこれまでは、缶コーヒーよりもコーヒー専門店や家で入れたてを飲むのがコーヒー通のセオリーとされてきた。しかし近年、缶コーヒーのクオリティの高さは目を見張るものがあり、缶飲料の枠を越えた本物志向の一杯が数多く登場してきたようだ。

  味で勝負することはもちろんだが、いかに他社製品との違いを各社がアピールできるのか、ここが販売促進の肝となっている。1年のなかで秋から冬は缶コーヒー商戦が激化する時期。今年もすでに飲料業界各社、定番シリーズの新商品発表や、リニューアルなどを実施し、また積極的なコマーシャル戦略やキャンペーン展開などで、認知度の拡充を図っているようだ。

  缶コーヒー市場ナンバー1シェアを誇るコカコーラーの「ジョージア」は、不況でも前を向いて頑張る人たちを応援する飲料であることを印象的に訴求するため、 “前向きな充足感を得られる瞬間”である”仲間とのひととき”をさらに楽しく過ごすためのグッズがあたる「GEORGIA meets BEAMSdesign?アクティブグッズプレゼント」キャンペーンを9月24日から12月18日までの期間、全国で実施している。同キャンペーンでは、「ジョージアで、仲間と出かけよう!」をキャッチコピーに、「BEAMSdesign?」とタイアップした「ジョージア」だけの「アクティブグッズ」が抽選で毎日1,200名に当たるという。

  サントリーは発売20周年を迎えた「BOSS」を記念しソフトバンクモバイルとのコラボレーションを実施。すでに「BOSS」の「宇宙人ジョーンズ」と「白戸家」がコラボレーションするCMを放映している。ソフトバンクは「プラチナバンドスタート記念キャンペーン」として「ボス電 SoftBank 107SH B」(以下、「ボス電」)を2,000台限定で販売。「ボス電」の限定発売および携帯電話購入者へは「お父さんボス(缶コーヒー)」プレゼント、機種変更した方への「祝!プラチナバンドお父さんストラップ」プレゼントを行っている。また、サントリーは本体裏面に純金メダルを埋め込み、高級ホテルの宿泊や国内・海外旅行など総額1,000万円相当のサービスが付いた携帯電話「超ボス電」を抽選で10名にプレゼントするキャンペーンを実施しているという。

  ダイドードリンコ<2590>は、5ヵ国の豆を4段階の焙煎で焼き分けた20種類ブレンドや、香料を使わない製法など、こだわりのある同社の主力ブランド「ダイドーブレンド」シリーズが、「ダイドーブレンド ブレンドコーヒー」「ダイドーブレンド ブレンド微糖」「ダイドーブレンド ブレンド砂糖ゼロ」「ダイドーブレンド ブレンドラテ」をリニューアル発売したことを機に、同社の缶コーヒーに対するこだわりを、「Blend is Beautiful.」というメッセージとともにCM展開。新CMは「オーケストラ」篇、「サッカーチーム」篇、「文学・ヘミングウェイ」篇、「音楽・マイルス」篇の4タイプで、あらゆる分野での「ブレンド」の素晴らしさを訴求している。また、「ダイドーブレンド ブレンド微糖」に関しては、役所広司さんをキャラクターに起用。新テレビコマーシャルでは「世界が混ざり合う」篇、「甘さは残さない」篇をオンエア。新CMを通じて「ダイドーブレンド ブレンド微糖」のこだわりを伝えている。

  コマーシャルやキャンペーンを展開することは缶コーヒーの拡販に繋がる。しかし、嗜好品であるコーヒーがロングセラーになるかどうかはやはり中身勝負となるのは間違いない。次にまた飲みたくなるかどうか、この大切なポイントがぼやけていない商品のみが、実際は長く残っていくことになるのだろう。