「街コン」ブームと「異性がこわい」若者たち

2013年09月23日 09:40

 積極的に、そして気軽に恋人を探す若者が増えている。全国で街コンを開催する株式会社リンクバルによると、今年8月の街コン参加者数は、今年1月から55.9%も増加。開催数も今年1月から8月にかけて258%増となっており、「街コン」の参加者数・開催数はともに増加傾向にある。

 2011年頃からブームが続く「街コン」は、同性2名以上で参加し、制限時間内に指定エリアの飲食店を食べ歩きながら異性との出会いを求める「巨大な合コン」だ。多い場合は数千人の男女が集まる。

 同社が参加者にアンケートをとったところ、街コン参加者の年齢は25~35歳の若者が7~8割を占める。さらに約6割の男女が「初めての参加」と回答しており、街コンブームを支えているのは「新規参入者」であることが分かる。

 彼らの目的はもちろん「恋人・友達探し」で、1度にたくさんの異性と話せることが満足度につながっている。同社の運営するサイト「街コンジャパン」経由だけでも、これまでにのべ38万人以上の若者が街コンに参加した。街コンは新しい気軽な出会いの場として、若者に定着しつつある。

 一方で2013年版の厚生労働白書によると、18~39歳の未婚者のうち、異性の恋人も友人もいない人は男性で約6割、女性で約5割にのぼった。そもそも、異性との交際を望んでいない男性が28%、女性が23.6%もいる。

 彼らに「恋人が欲しくない理由」をたずねたところ、男女とも1位と2位に「自分の趣味に力を入れたい」、「恋愛が面倒」が入った。「異性と交際するのがこわい」や、「異性に興味がない」も目立つ。異性と交際する上での不安についても、男女とも「自分の魅力のなさ」「出会いの場所がわからない」が上位を占めた。

 「街コン」が盛り上がる一方で、異性とのコミュニケーションから退却しているかのような若者も増えている。恋人や友人に恵まれた「リア充」と、そうではない「非リア」という分類が若者の間で定着しているように、彼らの恋愛観は二極化しつつあるのかもしれない。(編集担当:北条かや)