2005年から8%前後の成長率目標を掲げていながら、実際には9%超の成長を続けてきた中国。その中国が2012年の経済成長率の目標を7.5%に引き下げると表明するなど、その成長に鈍化がみられる中、ニッセイ基礎研究所によると、4-6月期の実質GDP成長率が前年同期比で6.4%の増加となり、1-3月期(同+6.3%)より改善するなど堅調さを維持しているインドネシア。このインドネシアに対する日本進出・投資が依然として活発である。
今年8月に入ってからだけでも、1日にDOWAホールディングスの子会社がインドネシアに設立した現地法人PT.DOWA THERMOTECH INDONESIAが、カラワン工業団地と工業用地の売買契約を締結、熱処理加工工場の建設を進めると発表。同時に、工業炉のメンテナンス事業も本格的に開始するという。また8日には、日商エレクトロニクスが、アジア地域における事業基盤の構築と強化に向けて、インドネシア現地法人の営業を開始。10日にも富士通テンが、インドネシアにカーオーディオ関連製品および自動車用電子制御機器の製造会社を設立するとともに、現地企業との合弁による販売会社を設立すると発表。2015年度に100億円の売上を目指すという。さらに16日には丸紅が、インドネシアにおけるCTグループ(旧PARAグループ)傘下の大手二輪販売金融業者PT Mega Central Finance社の株式30%を取得し、経営に参画すると発表するなど、連日のようにインドネシアでの動向が発表されている。
先のニッセイ基礎研究所の調査によると、個人消費と投資の成長率への寄与度が、1-3月期の5.1%を上回る5.7%を記録した一方で、輸出が前年同期比+1.9%と1-3月期の同+7.9%から急減速しており、内需の拡大が外需の縮小を補い、堅調な成長へと繋がっていることが窺い知れる。豊富な天然資源と世界第4位の人口が支え、拡大する内需。この内需はどこまで拡大するのか。今後も暫くは注目を集めそうである。