円高で年商1000億円以上でも11.5%赤字

2012年08月14日 11:00

 直接・間接を問わず海外との輸出取引をしている企業は国内に3万3273社あるが、年商1億円未満の零細企業の41.6%が赤字に陥っていることが帝国データバンクの調べで分かった。年商1000億円以上の企業でも11.5%が赤字に陥っていた。

 帝国データバンクが13日発表したところによると輸出取引のある企業は製造業で1万4845社、卸売業で1万4436社、サービス業1993社、小売業854社、建設業448社などとなっていた。年商では1億円以上10億円未満が1万4894社と全体の44.8%を占め、最も多かった。

 円高による7月の関連倒産(負債額1000万円以上)は17件と2008年1月の集計開始後最多になっているが、帝国データバンクは今後の見通しについて「対ユーロ、対ドルともに円の全面高が続いており、長期化の様相を呈している。中小製造業者では主力得意先メーカーが海外シフトし受注が急減。このため倒産に追い込まれるケースが散見されるなど産業空洞化の影響が出始めている」としている。そのうえで「過去の円高局面で疲弊している企業が多く、経営体力に乏しい零細輸出企業を中心に関連倒産が増加する可能性がある」と警鐘を鳴らす。(編集担当:森高龍二)