猛暑の節電が後押し、男性化粧品市場を牽引する制汗用品

2012年08月13日 11:00

 富士経済の調査によると、2011年は995億円であったものが、2012年には前年比101.3%の1008億円へと伸長すると予測されているメンズコスメティック市場。中でも昨年は節電が実施されたことから需要が伸び、汗ふきシートが前年比14.4%増の135億円、制汗剤が同9.3%増の258億円と市場は大きく拡大している。今年も昨年同様、節電の夏となっており、少しでも快適に過ごす為のアイテムとして各メーカーが商品ラインナップを拡充している。

 ロート製薬は若年男性用スキンケアブランド「オキシー」から、夏の暑さでほてりがちな顔や体をクールにして快適にケアする新製品として、ボディ用ゲル「オキシー ボディクーラー」と洗顔料「オキシー エクストラアイスジェルウォッシュ」を投入。前者は強い冷感効果が持続し、まるでクーラーで冷やしていくかのように汗ばんだ肌をクールに整えるもの。後者は、6種類ある「オキシー」シリーズの洗顔料の中で、最強のクール感を誇る洗顔料となっている。

 日本製紙グループの日本製紙クレシアは、「スコッティ 大人のデオシート ボディ用 12枚」と「スコッティ さら冷やCOOL ボディシート 12枚」を発売。特に、汗や加齢臭などのニオイが気になりだしたアラフォー世代の男性に向けた商品で、オフィスや外出先などでのエチケットとして、汗や加齢臭を抑えるという。また「スコッティ さら冷やCOOL ボディシート 12枚」は、2011年夏に限定発売したところ好評だったことから、今回より通年販売となっている。

 クロス・マーケティングの実施した「男性の身だしなみ」に関する調査によると、「顔のテカり・べたつき」「体臭」「口臭」が、男性の身体の悩みトップ3となっており、ニオイケア商品の使用理由では、41%が「周囲に不快な思いをさせたくない」と気遣う傾向にあるという。汗ふきシートや制汗剤が男性化粧品の市場を牽引していることを裏付ける結果と言えるであろう。一方で同調査によると、不満点として「値段が高い」「効果の持続性が低い」「効果が感じられない」が目立つという。制汗・デオドラント剤への不満点としては致命的な不満点と言えるであろう。しかし、それだけにまだまだ開発の余地、市場拡大の可能性が多分にあるということでもある。今までにない画期的な商品が登場することを期待したい。