「暫定予算」を家計で例えると……。成長にブレーキをかける「最低限の生活費」の切実な中身

2026年02月13日 16:47

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政治ニュースの「暫定予算」を、家計の「お母さんの承認待ち」に例えてる

 ニュースの片隅で流れる「暫定予算」という言葉。どこか遠い世界の話に聞こえますが、家計に例えてみると、その状況がいかに切迫したものであるかが浮き彫りになります。

 本来なら、毎月の給料日に合わせて「今月はこれくらい貯金して、週末は外食しよう」といった計画を立てるものですが、時には夫婦間で意見が食い違い、議論が紛糾してお母さんの承認(ハンコ)がもらえないという事態も起こり得ます。そんな時、話し合いがつくまでの間、とりあえず過去の実績に基づいて「最低限の生活費だけを機械的に計上して動かす」のが暫定予算の本来の姿です。

 この予算編成において最も大きな制約は、「未来への投資が一切できない」という点にあります。家計で言えば、「お母さんの許可が出ていないんだから、勝手な支出は一切禁止。とりあえず冷蔵庫にあるものと、最低限の買い足しだけで食い繋いで。新しい冷蔵庫の買い替えも、子供の将来を見据えた進学塾の申し込みも、ハンコがもらえるまで全部ストップよ」と、家計の時が止まってしまったような状態です。

 国レベルになれば、この「時が止まる」影響は経済全体に及びます。新規の公共事業や最先端の科学技術研究への支援、さらには中小企業への補助金といった「日本の成長のための施策」がすべて一時停止し、窓口は「検討中」の札を掲げるしかなくなります。

 ニュースでこの言葉が出た時、それは日本の台所が「最低限のやりくり」で綱渡りを始め、国家としての成長に一時的なブレーキがかかっていることを意味しています。政治の停滞が、実は私たちの未来の選択肢を少しずつ削っているのです。

 ちなみに、世界を見渡せば「暫定予算」が常態化し、何度も政府機関が閉鎖の危機に追い込まれる米国のような例もあります。一方、日本では「暫定」という言葉が、実は与野党がギリギリのところで「国民生活だけは止めない」という最低限の合意形成を維持している証でもあります。

 「決まらない政治」に苛立ちを感じる一方で、その暫定的な措置が日本の社会インフラを辛うじて支えている。ニュースを見ながら、そんな政治の「薄氷のバランス」に思いを馳せてみると、いつものニュースが少し違った深みを持って見えてくるはずです。(編集担当:エコノミックニュース編集部)