日清食品HDがトルコでパスタと即席麺の合弁事業開始

2012年07月25日 11:00

 日清食品HDが、トルコ共和国にて、同国最大の消費財メーカーグループであるユルドゥズ社傘下でパスタの製造販売を行なっている「BELLINI GIDA SANAYI A.S.」社の株式50%を取得すると発表。社名を「日清ユルドゥズ」とし、トルコでパスタ及び即席麺事業を開始するとともに、同社を当社の連結子会社化するとのこと。株式の取得金額は23.5百万米ドルで、7.5百万米ドルの増資も実施する。

 トルコ共和国は人口が約7500万人。今後、2030年まで毎年100万人ずつ人口が増加するといわれ、平均年齢が28歳と若い国である。同国における麺市場は、パスタでは世界第5位の生産国であるものの、1人当たりの消費量が欧米諸国と比べて低く、成長の余地があるという。そうした中、即席麺については現地で製造している会社はなく、パスタだけでなく伝統的な麺食文化(エリシテ)を持つだけに即席麺の潜在需要が高く、年間10億食を超える市場になりうることから、今回の合弁に至った。

 ユルドゥズ社はトルコ最大の消費財グループで、2008年にはベルギーのチョコレート会社「GODIVA」を買収、ケロッグ社をはじめ数々の外国企業ともトルコでの合弁事業を実施している。さらに、トルコ国内全体をカバーする食品流通企業を有しているほか、中東・北アフリカ等を中心に9カ国に生産拠点を有し、80カ国以上に製品を販売。今回の合弁事業により、こうした流通網を活用して即席麺及びパスタの販売を実施することで、同国における事業展開を実施、将来的には中東、北アフリカエリアへの進出も視野に入れているという。

 アジアと欧州の中間に位置しながら、日本では親日国家としても知られるトルコ。さらに、東南アジアについで経済発展が予想・期待されるアフリカ地域への玄関口ともなる同国への本格進出は、長期的な視点で捉えた場合、大いに有意なものと言えるであろう。同社が先導して、どれだけスムーズに年間10億食を超える市場へと成長させることができるのか。注目が集まるところである。