「農家に対する戸別所得補償制度によって大豆の作付面積が変化し、国産大豆値上がりに影響しているのでは」と木村太郎衆議院議員(自民党)が質したのに対し、野田佳彦総理は「制度が本格実施された平成23年度の全国の大豆作付面積は前年度と比べ1000ヘクタール減少したが、これは大震災の影響により宮城県と福島県の作付面積が減少したことによるもので、両県を除く作付面積は前年度と比較して1200ヘクタール増加している」とし「農業者戸別所得補償制度の本格実施により作付面積が減少したとは考えていない」と制度との関係を否定。
そのうえで価格上昇の要因については「国産大豆の約6割が豆腐原料として用いられ、たんぱく質の含有量が多く、豆腐としての加工適性が高い品種(フクユタカ)の同年産の収穫量が台風の影響等で減少したことから、フクユタカ等の品種の銘柄に対する応札が集中し、国産大豆全体の価格を押し上げた」と説明。
農林水産省は「戸別所得補償制度の実施と併せ、産地活性化総合対策事業及び強い農業づくり交付金で農業機械や乾燥調製施設の導入による生産コストの低減、水田の排水を向上させる新たな技術の導入による生産量の安定化を支援したい」としている。
国産大豆の価格は「財団法人日本特産農産物協会の入札による現物取引の全銘柄の平均価格(包装代を含む60キログラム当たり)で23年産の入札による現物取引が開始された昨年11月から今年5月までの間に6864円から9385円に上昇していた」。(編集担当:森高龍二)