ロレンソ2戦連続優勝、20ポイント差を付ける

2012年06月04日 07:26

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第5戦カタルニアGPは、ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソが2連勝で今季3勝目を飾った。

 地元レーサー2人による激しいトップ争いを制したのは、好調ヤマハのワークスライダー、ホルヘ・ロレンソだった。

 午前中のウォームアップで4台が転倒するという雨模様から、決勝レースはどんよりとした天候とはいうものの、ドライコンディションのスタートとなったMotoGP第5戦。スペインのカタルーニャ・サーキットの気温は27度、路面温度は40度、タイヤのチョイスが難しいコンディションの中、ストレートエンドでは340キロのスピードを誇るエキサイティングなレースは幕を開けた。

 ポイント争いを演じるケーシー・ストーナー(ホンダ)がポール、ロレンソが2番手、そして残るフロントローにはカル・クラッチロー(モンスター・ヤマハ・テック3)が相変わらずの好調さを見せ、この位置をゲットした。そしてこのレースは予選上位6台中4台がヤマハのマシンという今シーズン序盤を象徴するグリッドを形成した。

 だが、ホールショットを奪ったのはロケット・スタートを見せたダニ・ペドロサ(ホンダ)、そしてもう一人素晴らしいダッシュで観客を沸かせたのが、ロレンソのチームメイト、ベン・スビース(ヤマハ)。序盤戦不調のうっ憤を晴らすかのような走りを見せた。ロレンソは3番手、そして、ストーナーは5番手に甘んじるスタートとなった。

 激しくアタックするスビースは、3周目にペドロサをかわし、トップにおどり出たが、その直後に痛恨の転倒、レースに復帰はしたものの、最後尾になってしまった。一方、ロレンソは同僚に負けじと奮起する走りで、ペドロサを7周目に捉えトップの座を奪取。このまま勝利に向かって一人旅を始めるかと思われた。しかし12周目、地元レースで粘りを見せるペドロサが何とロレンソからトップを奪い返し、俄然レースはヒートアップ。

 トップ争いは地元ライダー2人に絞られ、3位争いはアンドレア・ドビツィオーゾ、クラッチローのモンスター・ヤマハ・テック3勢がストーナーを挟む形で3台がバトルする展開に。

 そして、残り7周で、ロレンソはラップタイムを一気に上げ、先行するペドロサにテール・トゥ・ノーズでプレッシャーを掛ける。残り6周のバックストレートで一瞬ウイリーをしたペドロサのミスを見逃さなかったロレンソは次のコーナーで遂にトップに立ち、そのまま逃げ切りゴール、2戦連続でチェッカー・フラグを受けた。その後ろではストーナーとドッグ・ファイトを演じたドビツィオーゾが何とか逃げきり、今シーズン、サテライト勢で初めて表彰台を手にした。スビースは転倒後攻め続け、10位まで順位を上げていただけに、序盤のミスが悔やまれるレースとなった。

 タイヤチョイスも注目されていたこのレース、フロントに従来型のハード、リアにハードを選択したホンダ勢に対し、フロントに新構造のハード、リアにミディアムを選択したヤマハ勢が勝利を収める結果となった。強いロレンソを魅せたレースに地元ファンの興奮は暫く収束することはなかった。

 次回の第6戦イギリスGPはシルバーストーンで、6月17日に決勝が行われる。(編集担当:加藤隆文)