ラピスが無線リモコン開発を容易にするモジュールのサンプル出荷開始

2012年06月11日 11:00

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ロームグループのラピスセミコンダクタが、無線リモコン市場向けに、ZigBeeRF4CEに対応した2.4GHz無線通信モジュール「MK72750A-01」のサンプル出荷を開始した。

 ロームグループのラピスセミコンダクタが、無線リモコン市場向けに、ZigBeeRF4CEに対応した2.4GHz無線通信モジュール「MK72750A-01」のサンプル出荷を開始。無線特性調整済みアンテナ付きのモジュールとなっており、専門技術・開発経験が重要な高周波部の回路設計や無線特性調整をすることなく、無線リモコンの開発を容易にするものとなっている。5月よりサンプル出荷を開始し、8月より量産出荷を開始する。

 現在、多くの家電用リモコンに使用されている赤外線方式に代わり、近距離無線技術を利用した無線リモコン広まりつつある。こうした中、無線リモコンに使われる無線通信LSIには、リモコンの電池の長寿命化のため低消費電力が求められると同時に、通常常時給電されていることの多い本体側においても、待ち受け電力削減の観点から低消費電力が求められている。こうしたニーズに応えるためラピスセミコンダクタでは、業界トップレベルの低消費電力(送信時16mA、受信時21mA)を実現した無線リモコン用LSI「ML7275」を商品化していた。しかし、無線特性に大きく影響する高周波回路設計・無線特性調整・評価などの開発を行うには、無線技術開発経験が重要であり、無線技術開発経験の少ない企業には容易に開発できないという課題があった。

 こうした状況に着目してラピスセミコンダクタが開発したのが、無線特性調整済みアンテナを搭載することで直ぐに電波を飛ばすことができ、「ZigBeeRF4CE」に準拠した2.4GHz無線通信モジュール「MK72750A-01」である。本モジュールは、無線通信LSIとして同社製「ML7275」を搭載しているため、その特長である低消費電力なZigBee RF4CE対応無線リモコンを本モジュールのみで実現。また、アンテナ付きで無線特性調整済み、日本国内電波法認証も取得済のため、無線技術開発経験が少なくても容易に開発を開始できるものとなっている。さらに、国内においては直ぐに電波を飛ばし評価、開発を行うことができるので、開発期間の短縮も期待できるだけでなく、同社設計の無線通信LSIを使用しているため、LSIに関わる事項についても迅速で的確な技術サポートが可能だという。

 無線リモコン以外にも、照明制御やセンサーネットワークなどの開発にも応用の幅が期待される新製品は、日本国外での使用時には別途各国無線法規への対応が必要にはなるものの、世界共通の無線リモコン規格に準拠しているため、ワールドワイドな利用が可能となっている。その為、日本製の商品を世界に広げる後押しをする製品と言えるのではないだろうか。日常生活における利便性の向上の為だけでなく日本企業再興の為にも、一日でも早い普及を期待したい。