地デジ放送での新たなスタイルのテレビ通販検証開始

2012年12月07日 11:00

 2011年度の売上高が前年比9・0%増の5兆900億円と、拡大を続けている通販市場。こうした中、スマートフォンやタブレット端末の普及により、かつては通販市場の中心であったもののインターネット通販に押されつつあるテレビ通販が、転換期を迎えているようである。

 12月6日、オークローンマーケティング(OLM)と三重テレビ及びNTTが、三重テレビの放送を受信できる地デジ放送視聴者を対象に、OLMが制作・提供するテレビ通販番組「ショップジャパン」にて、「モバイル動画透かし技術」を使用したテレビ通販番組とインターネット情報をスマートフォンでつなぐ、新たなテレビショッピングスタイルの実証実験を行うと発表した。実験期間は12月8日~12月31日の予定で、実放送環境での実験は日本で初めての取り組みとなる。

 NTTが、不可視な電子透かしを動画データに埋め込み、それを検出するアプリを配布。ダウンロード後、三重テレビで放映される「ショップジャパン スピードスライサー スバヤイサー」の画面にスマートフォンをかざすことで、最短1秒の速さでテレビ番組に埋め込まれた動画透かし情報を読み取り、テレビショッピング「ショップジャパン」の商品購入サイトが表示される。なお、対象機種はAndroidを搭載したものに限るとのこと。このモバイル動画透かし技術は、NTTメディアインテリジェンス研究所が開発したもので、離れた位置や斜め方向からでも高速に情報を検出する事が可能だという。

 近年、テレビやインターネットでの動画配信をはじめ、商業施設や公共施設における店頭POPやデジタルサイネージなどの広告映像利用が拡大しており、映像を用いた様々なサービスが提供されている。こうした状況を受けての今回の実証実験であるが、テレビ通販番組上で実施するという点に、どこまで的確なニーズを捉えられるかという疑問が残るであろう。むしろ、バラエティ番組の放映にて同技術を用い、出演者の衣装等が購入できるようなシステムの方が、一定のニーズを見込めるのではないだろうか。