東京モーターショーで出品した電動バイク「Honda EV-Cub」が市販化決定

2015年12月06日 14:11

Honda EV-Cub

ホンダ初の市販電動バイク「EV-Cub Concept」は、初代スーパーカブの「優しい曲面基調のスタイリング」を継承しながら、洗練させたデザインとした。車体はHonda独自の使い勝手の良さを追求したレイアウトを継承。カラーリングは、キャンディーブルーメタリックとライトブルーパールの組み合わせとし、深みと高級感のある色調とした

 今年10月に東京ビッグサイトで開催された「第44回東京モーターショー」でホンダがコンセプトモデルとして発表した電動モーターサイクル「Honda EV-Cub Concept」の発売を決めた。ショーのプレスカンファレンスで、ホンダの八郷隆弘社長が「販売を前提に開発している」と述べたことが現実となる。

 ホンダは2017年をめどに、従来より高い出力のモーターやリチウムイオン電池を開発し、同社として初めて電動バイクを一般発売に踏み切る。これまで電動バイクは、リース販売に限定してきた。「EV-Cub Concept」は、1回の充電で走れる距離を現行車種の2倍近くに延ばすという。二輪車「スーパーカブ」の車体にリチウムイオン電池やモーターを搭載して、日本のほか、大気汚染が深刻な中国などでも売り出す計画だ。世界的に環境規制が厳しくなる中、各社の開発競争が進みそうだ。

 ホンダが国内で電動バイクを一般販売するのは初めて。10~13年にリース販売していた「EV-Neo」(50万円前後)は、1回の充電で約30km走るが、新型「EV-Cub」は50km以上に延ばすメドが付いた。

 「継承と進化」をテーマとした、 近距離移動用パーソナルコミューターとして開発を進めてきた「EV-Cub Concept」は、「環 境にやさしく」「世界中の人々に愛され、生活に役立つ」存在でありたいという想いとともに、初代スーパーカブの「扱いやすく経済的なベーシックな二輪車」という考え方を継承した近距離移動用のパーソナルコミューターである。

 重要部品であるバッテリーを車体中央の低い位置に搭載することで、乗降性を高めながら、マスの集中化と低重心化を図るなど、取り回し性のいい車体を追求した。 充電は、レッグシールド内側に配置されたプラグにより、家庭用コンセントで充電可能という手軽さを持っている。 また、バッテリーそのものも着脱可能とし、扱いやすさにも配慮している。カラーリングは、クリーンなイメージと質感の高さを併せ持ったパールホワイトとした。

 これまで電動バイクは1回の充電で走れる距離が同じ車格のガソリンエンジンのバイクより短く、価格も高いため普及が進まなかった。一方、「燃料」となる電気代は大幅に安い。1回の充電で50km以上、走れるようになれば通勤や通学向けに利用でき一定の需要が見込める。

 日本の電動バイクの年間の販売台数は6000台程度で二輪車市場のうち1%程度。ヤマハ発動機が8月に新型電動バイク「E-Vino」を発売したが、販売台数は少ない。

 電動バイクの開発に力を入れる背景には中国やアジアなどで環境規制が強まることもある。電動バイクの投入で、厳しくなる環境規制にも対応できる。ホンダのモーターショー発表当時にリリースによると「EV-Cub Concept」は、全長×全幅×全高1840×670×1015mm。価格は未定。(編集担当:吉田恒)