安倍晋三総理は30日の衆議院本会議代表質問で民主党の海江田万里代表の質問に答え、さきの所信表明で教育政策の方向性や社会保障などに触れなかった理由を質され「今後、施政方針演説が行われることから、経済再生・震災復興・外交安全保障という最重要課題に絞込み、日本が直面する危機を突破していく決意を述べた」とし、今回触れなかった部分についても、施政方針演説で示していく考えを述べた。
この日、海江田代表は質問で「総理は強い日本をつくる、危機を突破すると言いながら、教育政策の方向性や社会保障、地域主権、エネルギー政策などに(所信表明で)触れなかったのはなぜか」と質した。
また、海江田代表が「自民党は政策に財源の裏づけがないと民主党の政策を批判したが、民主政権では44兆円の国債発行枠を明示して財政規律の一線を何とか守ってきた。安倍内閣の政策項目では歳出目白押しで、財源をどうするのかは全く見えない。成長率を高く見積もり、税収増で賄おうというつじつま合わせは無責任」とした。
安倍総理は公債発行額と財政健全化目標について「強い経済の再生を図りながら、財政の再建を進めることは極めて重要」と答え、「2015年までに国、地方のプライマリーバランスの赤字の対GDP比を2010年度の水準から半減し、2020年度までに国、地方のプライマリーバランスを黒字化するとした財政健全化目標を実現する必要がある。この目標を踏まえ、公債発行額をできるだけ抑制することとしており、来年度予算概算では42.9兆円とした」と述べた。また、両立を経済財政諮問会議で検討していくことも語った。(編集担当:森高龍二)