三井化学などが海外でポリプロピレン自動車材の生産能力を増強

2012年05月15日 11:00

 三井化学及び同社が65%を出資するプライムポリマーが、ポリプロピレン(PP)自動車材のグローバルでの需要拡大に対応するため、アメリカ・メキシコ・中国の3拠点において生産能力を増強すると発表。また、ブラジルにPPコンパウンド事業の新会社を設立し、南米市場における事業の強化を図る。

 三井化学グループは、現在、日本、アメリカ、メキシコ、欧州、タイ、中国、インドの世界7つの地域にPP自動車材の製造拠点を有し、生産体制の強化・拡大を進めている。そうした中、今回は、アメリカにおいて2万8000トン/年、メキシコにおいて2万5000トン/年、中国において1万トンの生産能力増強を実施するという。

 加えて、今後高成長が見込まれる南米市場での事業強化を図るため、ブラジルのコンパウンド会社であるプロデュマスター社の出資持分の70%を取得し、同社を母体とする新会社を設立。5万5000トン/年の生産能力を有し、大手自動車メーカーに製品を供給していく。

 海外シフトの進む自動車メーカー。これに合わせ、デンソーがインドに小型モーターの新工場を建設したり、トビ―工業がダンプトラック用超大型ホイールの部品生産子会社を中国に設立したりと、周辺市場での海外シフトも活発化している。この傾向はしばらく続きそうである。となれば、国内産業の空洞化に拍車がかかることは必至である。そのことへの対策も急務と言えるであろう。