頭皮の不快症状の”救世主”とは

2012年05月01日 11:00

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ロート製薬が昨年2月に発売した頭皮湿疹の治療薬『メンソレータム メディクイックH』は年間売上目標のおよそ10倍にあたる10億円を初年度で達成。同社調べによると、約6人に1人が頭皮の湿疹・かゆみに悩んだことがあると回答している。(撮影:北尾準)

 今の季節、花粉症に苦しむ方がとても多いことは周知の事実である。それと同様に、フケやかゆみに悩む方も多いことも今回、ある商品の爆発的ヒットによって明らかになった。

 その商品とは、ロート製薬が昨年2月に発売した頭皮湿疹の治療薬『メンソレータム メディクイックH』である。

 頭皮湿疹とは、髪の毛で覆われた頭部、髪の毛の生え際などに見られる湿疹のことで、かゆみなどの症状を引き起こすという。原因は、皮脂、汗、ストレスや環境因子など様々であり、季節も不問、汗をかきやすい春夏だけでなく乾燥しがちな秋冬にも症状が出る。同社が対象者にアンケートを行ったところ、約6人に1人が頭皮の湿疹・かゆみに悩んだことがあると回答し、その対処として「何もしなかった」人が41%にも上ることが判明。その理由として「何を使用したらいいか分からない」といった意見が上位を占めた。この結果から分かることは、症状を感じながらも「病気」だと認識せずに我慢する人が多いということ。また、そうした対応の遅れが悪化の一因となっていることも否めない。

 そこで同社は、頭皮のかゆみ、かさぶた、皮めくれに対して「頭皮湿疹」という名前を付けパッケージに明記することで、放置せず、症状緩和に向けて具体策を高じる必要性を提案。さらに本商品が頭皮にも使いやすいスプレータイプであることを訴求した結果、当初の年間売上目標のおよそ10倍にあたる10億円を初年度で達成した。1年間で10億円売れればヒット商品と言われるOTC医薬品市場で、一時期品切れになるほどの好評を得ており、現在も売上は好調に推移している。

 まさに潜在ニーズを確実に喚起したと言っていい『メンソレータム メディクイックH』が5月15日より、価格とデザインを一新する。手に取りやすい価格になったことと、効果や使用感をより強く実感できるビジュアル化によって、今後も同社、同商品がセルフメディケーション化に一役買うことは間違いない。

 フケ、かゆみを抑える類似品としては全薬工業のシャンプー「ロモコート」、『メンソレータム メディクイックH』と同じくステロイド配合クリームでは武田薬品工業の「ロバック」などがあるが、幹部に直接スプレーするタイプの”使いやすさ”、アンテドラッグ型ステロイド配合による”即効性”を考慮すれば、今のところ『メディクィックH』に軍配が上がる。

 これからの季節、外出時はもちろんエアコンの効いた部屋など、まだまだジャケットやカーディガンの出番は多い。黒や紺など、濃い色の上着の肩に落ちたフケは否が応でも目についてしまう。悪化すれば本人はもちろん、周囲に不快感を与えてしまう懸念もある。フケが気になりだしたら、その都度「払っておしまい」ではなく「もしかして…」と頭皮湿疹を疑い、『メンソレータム メディクイックH』をはじめ、何らかの”具体策”を高じてみられることをおすすめしたい。