愛媛県にある四国電力伊方原発3号機が12日、再稼働したのを受け、世耕弘成経済産業大臣は「原子力規制委員会によって世界最高水準の新規制基準に適合すると認められ、地元の理解を得て、原子炉の起動に至ったことはバランスの取れた電源構成と電力の一層の安定供給の確保に向けた重要な前進」との談話を発表した。
世耕大臣は「同原発はMOX燃料(使用済み核燃料を再処理して取り出したウラン・プルトニウム混合酸化物)を使用しており、プルサーマルの推進、核燃料サイクルの推進という観点からも非常に意義がある」と強調。そのうえで「四国電力が安全第一に対応すること、原子力規制委員会によって検査が厳格に進められることを期待したい」と付け加えた。
伊方原発3号機の再稼働については、地元の中村時広知事が「これまでの起動過程で県としても重要な節目・節目で職員を派遣し、問題のないことを確認してきた」とし「四国電力には(安全確保へ)一層の緊張感を持って取り組むよう求めていく」と談話を発表。
対岸の大分県・広瀬勝貞知事は中村知事の説明で「今考えられる最大の安全対策で作られているとの説明があり、それなりに理解ができた」との受けとめを7月の記者会見で示した。
ただ、過酷事故があった場合、伊方原発が佐田岬半島の付け根にあることから住民避難が可能なのか。「地震で道路が寸断される危険性、通行可能であっても大渋滞は必至となり、船で大分県などに移動する想定も台風や津波時に可能なのか疑問、避難計画は机上の空論に過ぎない。大分や瀬戸内海の小島・離島などの住民に対する安全配慮や避難の実効性確保も顧みられていない」(又市征治社民党幹事長)と避難計画にも実効性がないとの指摘が多く出ている。(編集担当:森高龍二)