三菱商事が、小林製薬の100%子会社である小林メディカルの株式の80%を譲り受けることにつき、小林製薬と合意したと発表。医療機関向けのサービスメニュー拡大を目指し、医療機器の輸入販売事業を強化する。
三菱商事グループは、1970年代より医療周辺分野での事業を本格的に開始。現在、医療機器の輸入販売に関しては、主に外科や泌尿器科といった分野で使用される内視鏡や手術器具等を取り扱っている。一方、小林メディカルは小林製薬の一事業部として発足し、2010年に小林製薬の100%小会社として分社独立。主に整形外科や外科といった分野で使用される骨折治療具や手術器具等を取り扱っていた。
急速に高齢化が進む中、がんや心筋梗塞・脳卒中を始めとする生活習慣病の治療や、骨折等の治療に対する、安全・安心な医療機器への需要が高まっているという。こういった状況を受け、小林製薬は昨年度、小林メディカルを中心に、国内市場の拡大が見込まれる整形外科領域、手術室関連領域に特化する選択と集中を図っていた。結果、医療関連事業での経常利益は前年同期比4.9%となるなど、一定の成果が表れている。三菱商事グループが医療機関向けに提供できる機器・サービスメニューを広げるとともに、小林メディカルの事業を更に発展させることを目指した今回の買収は、選択と集中によって得たこの成果をさらに大きなものとすることができるのであろうか。