資生堂が、アルゼンチンで化粧品販売を開始すると発表。これにより、資生堂化粧品の販売は世界89の国と地域(日本含む)、中南米市場においてはブラジル、メキシコ、コロンビア、パナマに続いて5 カ国となる。
アルゼンチンは、通貨危機を乗り越え、2003年以降8年連続でプラス成長を続けており、2012年も4.6%の成長が見込まれるなど、ブラジルに続く南米第2の新興経済国。化粧品市場についても南米諸国の中で第2位となっており、欧米の大手化粧品ブランドが本格的に事業展開を行っているとのこと。2010年度の同国の高級化粧品市場規模は対前年比30%増の約100億円と大きな伸長を見せており、好機とみて、高級化粧品販売で実績のある現地代理店を通じて資生堂ブランドを投入するという。
着実に海外での売り上げを伸ばし、海外売上比率が40%以上となっている資生堂。この海外売上を牽引する中国に続く、次の成長エンジンづくりとして、新興国への対応強化を進めている。なかでも、高い経済成長を続ける中南米市場では、2010 年11 月にコロンビア、2011年1月にパナマと相次いで販売を開始し、資生堂ブランドの売上、プレゼンスの拡大を進めていた。
大手化粧品メーカーがこぞって開拓を進める新興国市場。中国・韓国・南米などが今の主ターゲットとなっているようであるが、経済成長が著しい南・東南アジアでの販売体制強化の話はあまり聞こえてこない。これら地域での人口増加率や経済成長は、大きな潜在能力をもった市場であると言えるであろう。この市場でシェアを獲得するための下地は、もう出来ているのであろうか。