東芝が、見えない放射線を可視化できるポータブルガンマカメラ装置の販売および撮影サービスの提供を開始したと発表。本新製品を利用すればホットスポットの特定が容易となり、今後本格化する被災地の除染活動の効率化が図れるという。
東芝は、昨年12月にポータブルガンマカメラ装置を発表して以来、福島市実施の実証実験への参加や、地方自治体などへの提案活動を実施し、試験撮影要請などにも対応していた。その結果、実用化に向けた性能及び効果を確認するとともに、ニーズが高いことを認識。そこで、生産体制の構築及び販売・サービスの提供の開始を決定したとのこと。
ポータブルガンマカメラ装置は、放射線センサで測定したガンマ線とビデオカメラで撮影した映像を信号処理装置で重ね合わせることにより放射線を可視化。放射線量が高い場所を赤く、低くなるにつれ黄色、緑、青と色を変えて表示し、色で識別することができる。東芝では、これまで提案してきた三脚による固定方式の撮影に加え、道路などを効率よく撮影するため、車両に装置を搭載した撮影方式も提案し、さまざまなニーズに応じた使い方で活用していくという。
原発事故の発生直後から関心の高まった放射線量。堀場製作所 が、スマートフォンへの測定データ送信機能を付けた、空間線量を測る手のひらサイズの環境放射線測定モニターの開発・販売をしたり、エステー が片手で簡単に測定のできる家庭用放射線測定器の販売を開始したりと、市民の間でもニーズは未だに衰えていない。また、震災がれきを受け入れる自治体に住む住民の間でも、そのニーズが増えることも考えられる。今回東芝が開発・販売を発表した製品は自治体などがメインターゲットとなるであろうが、可視化という分かり易さは一般市民にとって大きなメリットとなる。今後、家庭用製品化へのニーズが高まる製品かもしれない。