IoT(モノのインターネット化)によって取得可能となるさまざまなデータを活用することで、製造業においては「モノのサービス化」が進み、ビジネスモデルの転換が起こると予測されている。また、生活者と直接接点を持つことの多いサービス業においても、IoT活用による業務効率化や顧客への提供価値の向上が期待されている。
ニフティ<3828>は、製造業とサービス業を対象にIoTに関する実態調査を実施した。調査結果からは、両業種とも多数の方が「IoT活用で今後ビジネスが進展する」と考えており、IoTに求める価値としては「顧客接点の強化」を挙げる方が多いことがわかったという。
なお、製造業では「製品・サービスの付加価値創造」、「製品・サービスの新開発」の順でIoTに対する期待が高く、IoT活用の狙いが従来のファクトリー・オートメーションに代表されるような製造工程の最適化や効率化だけでなく、付加価値創造にも及んでいることがうかがえたという。また、IoTへの取り組みに二の足を踏んでいる理由としては、IoTを活用したビジネス設計やデータ活用のノウハウ不足に起因するものや、人材不足が多く挙げられていたとしている。
まず、IoTに対するイメージについての質問では、製造業78.7%、サービス業で65%の方が「製造業のサービス化が進展する/IoTによってビジネスが進展する」と回答した。また、世の中におけるIoT普及については、両業種とも約4割の方が「実感している」と回答している。
また、IoT活用に求める価値について、両業種で共通して回答が多かったのは「顧客接点の強化」(製造業 25.8%、サービス業 24.7%)。製造業に限ると「製品・サービスの付加価値向上」(33.5%)、「製品・サービスの新開発」(27.4%)の順に回答が多く、これらが「システム・インフラの効率化」(21.4%)や「業務の最適化」(12.5%)を上回る結果になった
自社でのIoT活用状況については、製造業では24.6%、サービス業では9.4%がすでにIoTに関して具体的な取り組みを行っていることがわかった。さらに、「IoTの活用を検討している」まで含めると、製造業では48.4%、サービス業では22.1%が検討以上の段階に進んでいるとしている。
さらに、IoT活用を「検討中」または「予定はない・わからない」と回答した方にその理由を尋ねたところ、回答が多い順に、IoTと自社製品・サービスを関連づけることの難しさ(製造業 17.6%、サービス業 27.2%)、効果についての疑問(製造業 18.7%、サービス業 20.2%)、人材やスキル不足(製造業 21.4%、サービス業 16.9%)となった。また、すべての回答者に対し「データ活用」の課題について尋ねたところ、全体の約半数の方が何らかの課題があると回答した。(編集担当:慶尾六郎)