IT専門調査会社 IDC Japanは、日本国内におけるクライアントPC市場出荷実績値について発表した。
それによると、2016年第3四半期(7月~9月)の国内クライアントPC出荷台数は、ビジネス市場が161万台、前年同期比10.0%増、家庭市場は91万台、同比0.2%増、計252万台、同比6.3%増となった。
今期は、2014年第2四半期(4月~6月)以来初めて前年同期比で増加となった。ビジネス市場では大型案件が増加したこと、またWindows 7プリインストールPCの特需があったことが二桁成長に貢献したという。家庭市場では出荷チャネルの多様化が進んだ結果、家電量販店向け出荷は弱かったものの、他のチャネルで補完する結果となった。ベンダー別にみると特にデル、富士通、ASUSの出荷台数の伸びが市場全体の成長に寄与したという。
上位5社のベンダーシェアでは、HP Inc.が3位に返り咲いた。4位のデルとのマーケットシェアの差は僅か0.3ポイントだった。上位5社の内、富士通、デル、HP Inc.がビジネス市場および家庭市場で前年同期を上回った。NEC レノボ グループと東芝は、全体ではマイナス成長となった。
NEC レノボ グループは、ビジネス市場で前年同期比6.9%増、家庭市場で同比28.4%減となり、全体では8.4%減となった。
富士通は、ビジネス市場で前年同期比21.2%増、家庭市場で同比10.1%増、全体で18.3%増となった。
HP Inc.は、ビジネス市場で前年同期比16.4%増、家庭市場で同比4.1%増、全体で14.8%増となった。
デルは、ビジネス市場で前年同期比21.8%増、家庭市場で同比104.7%増、全体で39.5%増となった。特に家庭市場では、家電量販店向け出荷が順調に伸び、今期の高い成長率に貢献した。
東芝は、ビジネス市場で前年同期比3.5%減、家庭市場で同比5.7%減となり、全体では4.5%減となった。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション グループマネージャーの市川和子氏は「家庭市場では、Windows XPサポート終了に伴う需要が終息した後、長らくマイナス成長が続いていたが、ここにきて前年同期比でフラットとなった。しかし、これを本格的な復調の兆しとみるかどうかの判断は慎重にしたい。今年の年末年始商戦の結果が出るまで判断を待ちたい。一方、ビジネス市場では、XPサポート終了時に購入されたPCの買い替えが徐々に開始される時期がきているので、今後成長フェーズへと突入する可能性が高い」と分析している。(編集担当:慶尾六郎)