パナソニックがアプリケーションソフト開発などの新会社を設立

2012年04月04日 11:00

 パナソニックが、新会社「PUX株式会社」を設立したと発表。主にモバイル機器を対象とした、ソフトウェアモジュールやアプリケーションソフトを販売。資本金は9000万円で、パナソニックが80%を出資するとのこと。

 ソフトモジュールとしては、パターン認識エンジンやコーデックエンジンを核としたミドルウェアを提供し、アプリケーションソフト販売は、同社の新たな活動として取り組みを始める。パターン認識エンジンは、手書き文字を認識するものから、音声データをもとに話者を識別するもの、人の顔や指を検知・識別することによって機器を制御するものまで、幅広く商品やサービスに活用することができる。またコーデックエンジンは、ハードウェアコーデックを実装していない機器でも、各種の音声・映像データの圧縮と伸張ができるほか、データ形式の変換や3D映像の変換にも活用することができるという。

 今回の新会社設立は、パナソニックの社内ベンチャー支援制度「パナソニック・スピンアップ・ファンド」(略称:PSUF)を活用したもの。2001年4月からスタートした制度で、起業家マインドを持った社員の起業を支援し、PUX株式会社を含め、これまで30の新会社が誕生している。

 2000年前後の一時のブームが去った社内ベンチャー制度は、新規事業創造のプログラムとしては形骸化し、制度そのものの存続が目的化しているような企業も散見されるという。このような中、制度が形骸化せず存続し、それを活用した新会社設立がなされることは、他企業にとっても大いに刺激になるのではないだろうか。今回新設された会社が良き功績をおさめれば、日本経済全体への刺激へとなるのではないだろうか。