トヨタ自動車は、ハイブリッド車(HV)のグローバル販売台数が2017年1月末、累計で1004.9万台となり、1000万台を突破したと発表した。
トヨタは環境への対応を経営の最重要課題と位置づけてHVの普及に取り組んできた。1997年8月、日本でコースターハイブリッドEVを発売、同年12月に世界初の量産ハイブリッド乗用車プリウスを発売した。以来、多くのユーザーに指示され、2016年4月末の累計900万台突破から約9カ月で累計1000万台を達成した。
温室効果ガスの排出量削減が世界的な課題となるなか、HVは資源・環境問題へのトヨタとしてのひとつの解として初代プリウスを開発。世界初の量産ハイブリッド乗用車を世の中に送り出した。
初代プリウスに採用した「THS(TOYOTA Hybrid System)」は2003年に「THSⅡ」へと進化し、その後のトヨタの車両に幅広く展開された。「TNGA(Toyota New Global Architecture)」の1号車となった4代目プリウスは、環境性能だけでなく、運転して楽しいクルマとして、ファントゥドライブを追及、走行性能にも徹底的にこだわって開発した。
トヨタがHVを投入して20年。エコカーを取り巻く環境は大きく変化してきた。プリウスの普及は「環境性能でクルマを選ぶ」という新しい基準もでき、HVを開発・発売するメーカーが増えHVというジャンルが定着した。
トヨタは、「世界中の自動車ユーザーがHVを含めた他の環境対応車や低燃費車が選ばれるようになったことで、自動車業界全体として地球環境問題への貢献を進めることができた。この1000万台達成を通過点として、これからも顧客に選ばれる“もっといいクルマづくり”を進めていく」としている。
なお、2017年1月末までに販売したHVのCO2排出抑制効果は、約7700万トン、ガソリン消費抑制量は約2900万キロリッターと試算している。
トヨタは2015年10月に「トヨタ環境チャレンジ2050」を発表し、地球環境の問題に対してクルマの持つマイナス要因を限りなくゼロに近づけ、持続可能な社会の実現に貢献するために取り組むべきチャレンジを掲げた。トヨタはハイブリッド技術を「21世紀の環境コア技術」と位置付け、エコカーのさらなるラインナップの拡充に取り組んでいく。
なおトヨタは、LEXUSブランドのフラッグシップセダン「LS500h」をスイス・ジュネーブで3月7日~19日に開催される2017年ジュネーブモーターショーに出展する。「LS500h」は、2017年のデトロイトモーターショーで発表したLS500のハイブリッドモデルだ。LS500と同様に、セダンとして十分な居住性を確保しながら、斬新なクーペシルエットを両立したスタイリングや数々の先進技術を搭載し、大きな変革を果たしている。(編集担当:吉田恒)