CTCが仮想化ホスティングサービス開始

2012年03月16日 11:00

 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が、IT インフラをクラウドで提供する仮想化ホスティングサービス「TechnoCUVIC DR サービス」を、4月から開始すると発表。DRバックアップとDS間ネットワーク、広域負担分散の3サービスをラインナップし、3年間で2億円の売り上げを目指すという。

 災害対策や節電対策など社会のリスクが多様化する中、ITインフラの冗長・分散化、データバックアップ、システム運用体制の確保など、システムの規模や特性に応じたDRの必要性が高まっている。DRとは、自然災害などで被害を受けたシステムを復旧・修復すること。又は、その為の備えとなる機器やシステム、体制のことをいい、東日本大震災以降のDRニーズは増えており、今回のサービス開始はこういった傾向を受けたもの。

 本サービスは、多数の顧客が設備を仮想化技術で共有するパブリッククラウドであるため、個別にシステム構築を行うよりも安価に高信頼性/高可用性が実現できる。また、CTCが関東圏、関西圏に保有する複数のデータセンタを連携させた遠隔でのリアルタイムなサイト冗長や負荷分散も可能だという。

 IDCジャパンの調査によると、2011年の国内クラウドサービス市場は前年比45.9%増の662億円規模となることが予想され、2015年の同市場規模は2010年比5.6倍の2550億円になるという。この傾向を裏付けるように、2012年に入ってデータセンタ新設数は増加傾向にあり、首都圏には続々と新たなデータセンタが建設されている状況にある。最近では、TVCMでもクラウドという言葉が聞かれる程、一般化してきており、今後もその傾向は続くと思われる。さらに、現在は首都圏に集中しているデータセンタも、リスクヘッジの観点から、今後は関西をはじめ地方にも広がるであろう。今後も急速に拡大を続けるであろうこの市場は、今もっとも注目すべき支状の一つと言えるかもしれない。