銃剣道「中学校学習指導要領へ記載を」連盟要望

2017年03月12日 11:17

 突きの一撃で相手を殺傷することを狙い旧日本軍が訓練に用いた「銃剣術」を戦後、安全面を確保した一定ルールの下でスポーツ競技にした「銃剣道」が、中教審答申の中学体育(武道教育)に盛り込まれていた。

ただ「中学校学習指導要領案」には反映されなかった。戦時中、竹槍訓練が実施され、この訓練が槍術でなく、銃剣術だったことから、安倍内閣になって右傾化がさらに強まっていく、とのイメージを懸念したのではとの推測もある。

 佐藤正久元防衛大臣政務官は9日のブログで「文部科学省の田野瀬太道政務官に質問した。昨年12月の中央教育審議会では明記されていた銃剣道が、中学校の新学習指導要領(案)では、体育科目に入っていませんでした」と記述。

佐藤氏は「銃剣道は他の武道科目と比較しても、競技人口は決して少なくない」とし「陸上自衛隊と航空自衛隊では必修科目となっており、佐藤も若いころには銃剣道に打ち込んだ。学習指導要領に銃剣道を入れるよう求めた」と書き込んでいる。

ただ、柔剣道競技人口の8割近くは自衛隊隊員で占めているとも言われている。一般的な武道の柔道や剣道、相撲とは趣を異にしている感じがある。今回の中学学習指導要領案では武道に「柔道、剣道、相撲」に、新たに「なぎなた、空手、合気道、弓道、少林寺拳法」が記載された。

公益社団法人全日本銃剣道連盟は9日、スポーツ庁長官に対して「銃剣道が要領案に記載されず、極めて残念」とし「学習指導要領に明記されないのは銃剣道授業の普及に致命的な影響を与える」などとして、記載するよう要望書を提出した。(編集担当:森高龍二)