トヨタ、燃料電池車の取り組み拡大。今度は大型FCトラック、米国カリフォルニアで

2017年04月25日 07:19

Toyota_FC_Truck

トヨタが米国カリフォルニア州ロサンゼルス港で、FCシステムを搭載した大型トラックの実証実験を開始すると発表した

 トヨタ自動車の北米事業体であるToyota Motor North America, Inc.(TMNA)は、FC(燃料電池)技術の大型商用車への応用可能性を検証するため、この夏から米国カリフォルニア州ロサンゼルス港で、FCシステムを搭載した大型商用トラックの実証実験を開始すると発表した。

 実証開始に先立ち、CARB(カリフォルニア州大気資源局)やCEC(カリフォルニア州エネルギー委員会)などの州政府関係者出席のもとロサンゼルス港で開催したイベントで、開発した実験車両を公開した。

 トヨタは1990年代から、水素を将来の有力なエネルギーと位置付け、水素社会実現に向けた取り組みの一環として燃料電池車(FCV)の開発を進めてきた。米国カリフォルニア州においても、ファーストエレメント・フューエル(FirstElement Fuel)社のステーション運営を資金面で支援するほか、ロイヤル・ダッチ・シェル(Royal Dutch Shell)社とは水素ステーション網の拡充に向けた協力を進めている。

 日本では、本年2月に東京都で初めてFCバスの販売を開始し、今後は2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに、東京都を中心に100台以上のFCバス導入を予定している。また、トヨタグループとしては、FCフォークリフトなど燃料電池の幅広い応用を含めた技術開発・商品展開を推進してきた。

 今回の大型FCトラックにおける実証実験は、FC技術の応用拡大に向けた取り組みであり、カリフォルニア州の港湾環境対策の一環でもある。同州は2006年に策定した「港湾大気浄化行動計画(Ports Clean Air Action Plan)」を通じて、ロングビーチ港やロサンゼルス港は大気汚染物質の削減に取り組んできたが、今でも大気汚染物質の多くは大型商用トラックから排出されているなど課題は残る。トヨタとしては、FC技術応用を通じてそのような課題を解決し、さらなる環境改善に貢献することも目指す。

 実証実験で使用するFC大型トラックは、トヨタの燃料電池乗用車「MIRAI」のFCスタック2基と12kWhの駆動用バッテリーを搭載し、約500kWの出力と、約1800Nmのトルク性能を確保し、貨物を含めて総重量約36トンでの走行が可能だ。通常運行における推定航続距離は、満充填時で約320kmと見込んでいる。

 これまでロサンゼルス港は、産業関係者とともに、港湾関連業務における大気汚染物質の削減を主導してきた。ゼロ・エミッション車であるトヨタのFC大型トラックは、「港湾大気浄化行動計画」の長期目標達成に向けた解決策となり得る可能性は大きい。(編集担当:吉田恒)