「忙しくても、ひとつひとつ解決していくのであれば充実感もあるのだが」と自民党の石破茂幹事長。野田佳彦総理の対応にうんざり観が隠せない。苛立ちさえ見え隠れする。
「『近いうちとはいつか』から始まって、最近は『懸案が解決しても解散なんかやらない』とか。なんなんだろうね。常識が通らないというのはものすごく疲れますね」(石破幹事長)と嘆きは相当だ。
国民だって「なんなんだろうね」と言いたいだろう。参議院では先の国会で野田総理に対する問責決議が可決した。最近では身内の前原誠司国家戦略担当大臣から「年明けは近いうちではない」と明言される始末だ。
そんな総理に何が期待できるのか。「そんな」というのは国民の審判を受けていないから「国民の信任が野田総理・野田内閣にどれだけあるのか、客観的に確信するものさしを誰も持っていないためだ」。
だから、選挙で確認してほしいのである。選挙は党利党略のためにあるのではない。民意を反映させるためにある。特に重要な案件を決めたときや決めるときには、民意を聞くのが民主主義だろう。
自公をはじめ国民の生活が第一にしろ、みんなの党にしろ、社民党にしろ、『国民が信任する政権がどこなのか、今は、それを再確認したうえで、その基盤のうえに成り立つ政権での運営をしなければ、内政・外交ともに脆弱過ぎる」と感じている。
国民からの信任があるのか、ないのか、それさえもはっきりしないところの政府が外交を展開しても、相手国は疑心暗鬼になるだろう。
野党の中には「尖閣や竹島問題があるときに解散してどうする」との意見もある。しかし、その状況でないというなら、民主も自民も、党の代表選挙をしている時こそ、そんな場合でなかった。あの時期がいかに外交上、与野党超えて一丸となって取り組むべき時期であったか。あのときの民自の対応こそ「なんなんだろう」と多くの国民が感じたと思われる。
今は何より政権基盤を堅固なものにし、国民が信任する政権、それは野田内閣であっても良いのだが、選挙によって信任されていることが証明されれば、野田総理の立場は大きく変わるはずだ。
年内解散をし、選挙をし、信任された政権の下で日本再生のための「新年度予算」を組み立てることが、日本の国力をあげることになる。
野田総理は「臨時国会で衆議院を解散する。そのために特例公債法案と憲法違反解消のための衆議院議員定数0増5減の実現、国民会議始動にむけた委員選定までは、さきに処理させろ」と言い切るべきだ。
29日に召集される臨時国会。衆議院では総理の所信表明が本会議でできるようだが、参議院は総理への問責決議が生きているとして本会議で総理の考えを聞く気はないという。
そんな野党を見返すためにも、総理は「臨時国会で喫緊の課題3点を処理することを条件にしてでも、国民に信を年内に問うべきだ」。それもできずに越年すれば、野田総理を支持してきた国民までも「なんなんだろうね」と愛想尽かしすることだろう。だから、「なんなんだろうね」と言わせるな。(編集担当:森高龍二)